犬三匹のもふもふレベルは最強です

 のんびりと進んで、新たな開拓村へ到着。村の悩みを聞く。

 街への道があまり良くなくて辛いそうだ。

 レンガ造りの整備か……私ではできないな。


 うーんとひとしきり考えた後、コンクリートもどきで作ってしまおうと決心した。いつだって古代ローマは私のみ・か・た(ハート)


 まず、レンガが残ってる所は補修しない。壊れている所だけ補修する。そうじゃないと完全に道を敷き直すことになるので膨大な時間がかかる。無理無理。


 さて。やり方としては壊れたレンガを取り除き、底面に砂利を敷く。その上に石を敷き、最後にコンクリートを流し込むという現代的なやり方だぜ。ふふん、転生前女子高生でも知識オタクならこれくらいは知っているのさ。

 砂利と石は、ぽちから〈岩石〉を取り出して使ってる。ぽちちゃん本当に何でもある。大好きチュッチュ。


「あんた凄いねえ。補修といえども立派な道路になってるよ」

「いえいえそれほどでは」


 村のおばちゃんAから賞賛されつつ仕事を進める。

 褒められるって嬉しいね、てへっ。


 一ヶ月滞在して道路の補修は完了。

 騎士の修業なので金銭報酬は出ないけど、たんまりと特産品の土を貰った。街でお茶碗や瓶差しなど、陶器に加工するんだってさ。益子焼や伊万里焼みたいだね。


 リアカーに積み込んで街まで出発!


 到着した街はちょっと寂れていた。

 馬車鉄道はあまり本数が出ていないし、魔導灯も壊れているのが多い。

 もしかしたらヒゲソリ男爵領が凄いのであって他の街はあまり凄くないのかも? でもここは『ヒゲソリ男爵領ソレソーレ町』だからヒゲソリ男爵領地だな。

 なにかがおかしくなっているのかもしれない。


 陶工ギルドに土を売り払ってからペットOK宿屋で休憩。ぽちはさすがに入れないけど大豆と小豆なら入れる。ギリギリね。


「なにかがおかしいんだよねえ。街で収益が取れてないのかな」

「わおん」

「くうん」


 大豆と小豆をもふもふしながらぼんやり考える。


「うーん、町長と会ってみるか。ヒゲソリ騎士なら会えるからね」


 その後は二匹をもっふもっふしながら就寝。しあわせなりぃ~。


「ぽち、いじけないで」

「ワン」


 目線を合わせようとしないぽち。昨晩自分はもふもふしてくれなかったので妬いているのである。


「ぽーちー、お願いだから乗せてよー」

「キャン」


 ぷいっとそっぽを向くぽち。とりつく島が無い。さっきからもふもふしているがそれでは駄目らしい。


「じゃあ、ぽちはここで待機だね。私と大豆と小豆で町長に会ってくる……」

「ワフ!?!? わんわん!」


 あわてて私を頭からガブリと噛みつき、空中へ放り投げる。あーれー。

 そして鞍に上手に乗るようにキャッチ。なんて危ねえことするんだ。


「行く気になった?」

「わん」

「まだ若干拗ねてるけどいっか。行こう行こう」


 現実問題、ぽちの威圧感が無いと子供扱いされるのでぽちがいないと市長もただの見習い騎士としか見なさないだろうから、来てくれないと困るのであった。

 私は真っ白なきつね亜人でしか無いからね。狐亜人としてみられるからね。白狐族なんて自分でつけた種族だし、レアだけどそこまで強い亜人じゃ無いと思われる。ちょっと騎士としては苦しいだろうな。


いくらなんでもアポなしで会えるとは思ってないのでアポを取るか。あぽーあぽーん。


……取れなかった。まじで!? ナンデ!?

理由は忙しいから。それで面会拒否ってどうなの? 駄目じゃ無い? 病気しているわけでもないし。

なんか怪しい。怪しいぞこれは。

というか、中身をのぞいてみたくなった。何やってるんだろう?

なので忍び込むことにしました。きつねなら忍び込める。狩りするからね。


前の町アイザック町の、町長の住まいがお城だったのと違ってここの住まいはお屋敷だし忍び込みやすい。


いっちょやりますか!

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