☆知っておくと解像度が上がるかもしれない中国古典


 最近の中国ってとにかく古文化が大好き。

 街並みやTV広告から、小説やマンガやゲームに至るまで。

 全部が完全な中華とまではいかなくても、ほんのり中華な要素は頻繁に出てくる。

 もちろんアニメにもたくさん出てくる。


 でもその古文化、元ネタはどこから来たの?


 ……な状況に対応するために(個人的に思う)よく出てくる中国の古典をまとめてみました。

 知っておくと、中華な創作にも役立つかもな内容も盛りだくさんですよ!

 それではさっそく、いくつか抜粋して軽く紹介と、最近のアニメ等における出現例を記していきます。



①『山海経』

 成立は紀元前にも遡ると言われる、中国最古の地理書。著者は不明。地理書と言っても妖怪など架空の国や存在も多く登場するため、現在は古代の思想や社会を研究する手段としても用いられている。ちなみに全部で十八巻、三万千文字で主に『山経与と『海経』からなり、地域によって細かく章がわけられている。中国アニメにおける出現率はダントツトップ(諸説あり)。


 出現例:

・アニメ『非人哉』→キャラクターの元ネタ

・アニメ『有兽焉』 →キャラクターの元ネタ

・アニメ『百妖谱』→キャラクターの元ネタ



②『封神演義』

 中華神仙ファンタジーの祖。長編小説で、著者は许仲琳。成立時期は明。民間で信仰されている伝説や戯曲などの影響を受けているとされており、たくさんの神様が出てくる。哪吒や二郎神などは有名な方かもしれない。現在の中国における玄幻小説にも大きな影響を与えており、おそらく大多数の神仙ファンタジーの世界観は本作に基づいている。


 出現例:

・アニメ『苍兰诀』→キャラクターの元ネタ

・アニメ『非人哉』→キャラクターの元ネタ

・映画『新神榜:杨戬』→ストーリー、キャラクターの元ネタ



③『西遊記』

 みんな大好き西遊記。神魔長編小説で、著者は吴承恩。こちらも成立時期は明。おそらく多くの方が孫悟空の名を聞いたことがあるのではないか。中国古典四大名著のなかでもファンタジーな要素の強い、妖怪退治のお話。『封神演義』と一部被っている神々も出てくる。


 出現例:

・アニメ『非人哉』→キャラクターの元ネタ



④『楚辞』

 紀元前における楚国の歌集。『詩経』と並ぶ中国で現存する最古の書物。著者は主に屈原、その他多数。少しマイナーかも。祭祀に関わりがあるせいか、詩集にしてはファンタジックな作品。様々な章があるが、そのなかでも『九歌』には楚国特有の神々がたくさん登場する。


 出現例:

・ドラマ『山河令』→主題歌「天问」



 もちろん、これら以外にもたくさん出てきますが、今回はこの四つを取り上げてみました。

 神怪系メインなのは、個人的に好きなジャンルだからです……。

 「もっと他の古典も見てみたい!」という方は、以前こちら(https://kakuyomu.jp/works/16817330649234205943/episodes/16817330658596180500)で紹介した中華創作サイト、书格(https://new.shuge.org/)なども役に立つかも知れません。


 ではでは、皆様も良き中華創作ライフを。

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