　司会役の官房長官が話し始めた。

「本日、午前１０時２０分に崎浜県丘村山中で出現した巨大生物について、国防大臣から現状を報告してもらいます。」

　山岡国防大臣が立ち上がり、モニターやタブレットに地図や画像を映し出しながら説明を始めた。

「場所は崎浜県の山側にある小さな山村である丘村の滝頭地区で発生しました。」

「滝頭地区ではココ一週間、異常な群発地震と崖崩れが連続して発生しており、緊急避難命令による住人の避難が行われていた所でした。」

「本日、午前１０時２０分に滝頭地区の山腹に亀裂が入り、大規模な崩落と共に中から全長40メートルの巨大な生物が出現しました。」

「現場消防・警察から丘村々長・崎浜県々知事を通じて、国防軍に緊急派遣要請を受け、国防空軍に現場の偵察と情報収集・国防陸軍に現場から半径10キロメートル以内の封鎖と住民避難を完了しました。」

「現状、巨大生物は頭を動かして食料を探している様子以外は、何も大きな動きは起こしておりません。」

「巨大生物は急に目覚めたので、まだ現状の把握が出来ていないと思われます。」

「まだ、住民や施設には直接的な被害は起きていませんが、今後発生すると予想されるので警戒を厳にしていきたいと思います。」

「なお国防軍としては便宜上、巨大生物の名前を出現場所に因んで、『オカゴン』又は『サキハドン』と命名したいと思います。」

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