第8詩 【クロアゲハ蝶】


山深い夏の道ばたに たおれている


クロアゲハ蝶は そのきれいな黒羽を


そよ風にゆれる 葉っぱのように


そっと ゆらす まだ力はある というように



もう二度と 飛べない 悲しみに


チョウは 包まれて こんなにきれいだ


いままでずっと 羽ばたいてきたから


野たれ死ぬって 死にざまが


ここに こんなに 光って見える



羽音はやんで いま かえってゆく


いとおしむ 自然の中へ


ちょうちょ ちょうちょ って



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