第3詩 【万華鏡のとき】


その誰もいない 二階部屋で


夕陽にさらされた……窓の玻璃(はり)が


美しく燃えておりました



その不思議な どこか版画(はんが)じみた


さまようような 夕映えのモザイクに……


影絵で 十羽 渡りをしました



村の衆は 焚火を取り囲み 視つめている


火影(ほかげ)も その下で 燃えている



原子の火 と 夕ぼらけ


白衣にジャムを なすりつけたまんま



雛(ひな)のつばさが 火(ほ)を踊る


うすくれないに 火(ほ)を踊る



夕闇の中を 天馬者が翔(か)ける


つむじを巻いて 吹き上げる



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