第7話 久々の帰宅

バーベキューから数日たった

不意に今日は実家に帰ろうと思った

高校を卒業してから一回も帰っていない家

6年間帰っていない

どんなことを言われるのか少し楽しみだった


実家は今住んでいるところからは結構遠くにあり

電車やバスを乗り継いで3時間ほどかかる

往復移動だけで6時間かかるので今までは行く気にならなかったがなぜか今日行きたいと思ったので行くことにした

普通は連絡してから行くと思うのだが俺は連絡しなかった。ドッキリでもしたかったのだろうか

ということで向かうことにした

駅やバス停に向かうときはもちろん徒歩なのだがそのときにふと気づいたことがある

募金を待っている人が多いということだ

俺は見かけるたびに10円か100円かを入れていた

なんの募金かよくわからないやつもあったが

まぁ人のためになるならと入れた

良くないやつもあったのかもしれないけど

わからない


片道3時間かけて実家についた

電車やバスは乗っているだけで疲れた

この疲れを帰りも味わうのかと思うと少し嫌気が差した

6年ぶりに見た家はあまり前と変わらなかった

強いて言えば少し古くなったくらい当たり前だけど

家に入るのはとても緊張した

生きてきた中でこんなに緊張するのは初めてだった

けど入らなきゃ何も始まらないと思い入った

「ただいまー」

平然を装いそう告げて中に入った

そうするとびっくりした顔の母と父がいたあと姉


そこからは有意義な時間だったと思う

なんで帰って来なかったのか聞かれたり連絡くらいしろと言われたりもしたが

なんだかんだ言って楽しかった

今日は泊まっていけと言われたのでそうすることにした

家族が寝て

俺も寝ようと思った

布団に入る

久しぶり見る天井

久しぶりに嗅ぐ匂い

そんなようなことを考えているとふと思ってしまう

俺ってもうここに帰って来ることはないんだなと

不安になった

何故か安心もした

心の中は不安と安心でぐちゃぐちゃになった

そんなことを考えていても仕方ないので寝ることにした


家族には用事があると言い昼前に家を出た

もう見ることのない家族の顔をしっかりと見ておく

どうしたのと母父姉に聞かれるが久しぶりだからとはぐらかしておいた

家を出発する

18年間ありがとうと声にならない声でつぶやく

こちらこそと聞こえた気がしたが気の所為だろう


そこからの3時間は意外と早く過ぎた

気がつくといつもの家だった

何故か久しぶりの気がしたが開けておいたのはたった1日ほどである

長旅で疲れてしまった

今日は早く寝ることにしよう

と言ってもまだ早いのでぼーっとスマホをいじり時間を過ごす

気がつくともう夜だった

やるべきことをやりもう寝ることにする

最近は毎日夜に今日は充実した1日だったと思うことにする。そうしないと悲しくなりそうだったから

目をつむりしばらくすると意識が途絶える


俺の時間はあと2日になった

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