恋はいつでもゴッドパンチ!

一路傍

プロローグ

 恋はいつでもマッハパンチ――


 あのとき、僕はそう信じてダッシュしていた。


 アタッシュケース二つ分ぐらいの言葉を胸の中に目一杯に詰め込んで。それを全て伝えようと舞い上がっていた。溢れる気持ちで張り裂けそうだった。何なら、風船のように空でも飛べるはずと信じて疑わなかった。


 その結果は……まあ、すぐに話すけどさ。


 だからこそ、僕は一番大切なことを学び、そして何よりもかけがえのないモノを得られたのだと思う。


 そう。この物語は、僕こと、荒野翔こうやかけるが高校一年生の頃、マッハパンチごときじゃ恋はノックダウンなんて出来ないことを痛感させられるに至ったドロ臭い青春の数十ページ。


 隠しごとは一切なし。全てを語るから、最後までついてきてほしい。

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