「これは、夢だ!」(←ヤケクソ)

 怪物が消えてからしばらく。

 私はある仮説を立てていた。


「これは、夢だ!」


 夢だとすれば、全て辻褄つじつまが合う。

 さっき見た怪物だって、よく思い出せば最近書いてた小説のモンスターのイメージに似ていたし、この森だって何か私の深層意識から引っ張り出された光景にちがいないッ!(キリッ!)


 だが………



「しかし、この森広いなぁ………」



 はぁ、と肩を落として『ドヨ〜ン』とでも効果音のつきそうな森を見回す。


 木々は整然と並んでいて、自然の森というより、テレビで見た人工の森、という感じだ。でも、それにしては何にもない。足跡も、動物も(さっきの怪物は除外)、人も………………


 あれ、たしか最近テレビで『自然の中で心をいやす!森キャンプ☆』みたいなのやってなかったっけ……?

 森って癒されるの………?

 全然そんな感じないんですけど………?むしろなんか寂しくてみじめだよ?


 あ〜も〜、せめて小鳥がさえずってくれてたらなぁ。



 怪物と会ってからずっと歩いているが、全然出口(あるかは分からない)にたどり着けない。



「そもそも、どっちが出口なのかも分かんないし……」



 もし、出口と反対方向に進んでいるとしたら…………?


 遭難、怪物、山賊、ヤのつく人たちのアジト………


 その想像に、サーっと顔が青ざめていき、慌ててかぶりを振る。



「分かんないことを考えてもしょうがないよね。とにかく進もう」



 そう、しょうがない。だから今は良いことを考える!


 だってモンスターとかいたし!異世界っぽいし!え、これもしかしてチートなやつ?「あれ、私また何かやっちゃいました?」って言うやつ?ヤバ!楽しみ!(←ヲタク)



 ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべながら再び森を歩き出す。




 大切なことを忘れているのにも気付かずに。






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 本作に興味を持ってくださりありがとうございます!

 作者の霜月しもつきアカリと申します。

 まだまだ初心者の私ですが、14年間の人生経験をフルに活用して一生懸命書いていきますので、あたたかく読んで見守っていただけると嬉しいです。


 だいたい週に一回、二回の更新です。ちょこちょこ改稿もしております。


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