序章 (?) 迷える森のヲタク 〜あらすじちゃんと読んだ人は飛ばしていいですよ〜

うん、ここどこ?

 結論。気づいたら森でした!




 はいっ意味わかりませんねー、私も分かんなーい。

 でも事実、私の眼前には鬱蒼うっそうと茂る森があるわけで……


 いや、私だっておかしいと思ってますよ?だって目開けたらなんか森だったし。



「?、!?。!!!!!?!!?!!」



 ってなったよ?


 でも辺りを見回しても見覚えのあるもの何もないし、誰もいないし、途方にくれて冒頭の結論に行き着いたんだよ?私だって制服のまんま森に行くような森ガールじゃないよ?むしろインドア派だよ?


 叫んだり走ったり叩いてみたりしてもなーんにもないんだもん。えらいこっちゃ。



 というか、こんな森、私はテレビ以外だと見たことがない。

 本当にすごい。出口見えない。(当たり前か?)



 でも、おかしい。私、今日はちゃんと家を出たはずなのに……




 私―――こと、秋月楓あきづき かえではそこそこの都会?に住む高校一年生だ。(もちろん家の近くに森など無い。断じて無い。)

 今日は普通に学校の日で、セーラー服を着て、髪をツインテールにして、カバンやスマホを持って家を出て…………

 で、コンビニでお茶を買って、駅に行って電車で学校に行った………はず。

 んん〜?なんかよく思い出せない???


 でもほんとに今日は家を出てきて……………


 そう、家を………



 



 あれぇ?おっかしいなぁ。やっぱり記憶が曖昧あいまいというか………



『グルルルルル………』



「でも、確かに出た……はず。」


 ブツブツと声に出しながら考えるが、答えは出ない。



『ガルルルル………』



「駅まで行った……のは昨日の記憶?じゃあ、コンビニのあたりまで……?」



『グルルルルル………』




 うーんと首を傾げる。

 私の心を表すかのように、森はどよんと暗い。



「はぁ、ほんと何がどうしてこうなった………」



 教えて神さま、と思って天を仰いだ。



「ガルゥゥゥゥ」



 そしたら、目が合ってしまった。

 私の身長を優に超える、怪物と。




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