大きな括りでは

すると今度は玲那が、


「そりゃパパちゃんと絵里奈の赤ちゃんだもんね~。可愛いに決まってるじゃん」


こちらはそれこそ満面の笑顔で言ってくれた。彼女は妻である絵里奈と同じ年齢だけど、僕とは養子縁組をして法律上の娘になっている。その経緯についてもいずれ機会があれば触れることになるかもしれないけど、決して愉快なものじゃないということだけは間違いなく事実かな。


だけど僕達は今、間違いなく幸せだ。大きな括りでは大変な不幸の中にいるのかもしれないけれど、間違いなく幸せなんだ。


そこに玲緒奈に来てもらった。これも間違いなく親である僕と絵里奈のエゴなんだ。だから僕達には、この子に『生まれてきて良かった』と思わせてあげないといけない義務がある。


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