エジプト(国)・その4
今回でエジプトについて4回目です。
今回は少しだけまじめな話をしようと思います。
いや、ずっと真面目でしたよ?
あちらこちらの遺跡を見て回って堪能したエジプトの旅だったんですが、その中で気になることがいくつかありました。
それは、まだまだ手つかずの遺跡がたくさんあり、それらは風化の危機にあるということです。
ツタンカーメン王墓のように、新たに大発見という遺跡もあるんですが、それほどの価値があると思われていない遺跡は、ほったらかされているのがたくさんありました。
通りがかったバザールでのこと、ガイドさんが、
「ここも遺跡です」
と教えてくれた場所、それは普通の壁みたいな感じでした。
壁というのか、一段上にバザールの通り道などがあり、その下、一段低いところから見ると、確かに遺跡のようなものが見えるという感じです。
見えているけど、見るからに朽ちかけている、そんなふうに見えました。
誰でもその気になったら、そこらへんの壁みたいなところ、削ったり壊したりできるような感じです。
あえて壊そうとしなくても、経年劣化で見えている彫像とか、すぐにもなくなってしまうだろうな、そんな感じでした。
そういう時間の経過と共にというだけではなく、
「塩害」
の影響も大きいのだとも教えてもらいました。
人が生きるために水を汲みます。そうすると下から上がってきた水に含まれた塩分が土の中に残るらしいのです。
これはスフィンクスやカルナック神殿という有名な遺跡でも起こっていることで、
「ここが塩害です」
と、指し示された場所には横に白く線が走っているんです。
まずはそういう超有名な遺跡から救わなくてはいけないので、私が見たバザールの遺跡なんて、後回しの後回しでしょうね。それまでに調べて「あまり新しい発見はないから」と発掘が後回しにされている遺跡ですし。
遺跡を発掘するには予算も人手もかかります。さらに、あのバザールのような場所の遺跡だと、調査する間に立ち退いてもらったり、色々と問題は山積みでしょう。とても全部を発掘できる可能性はなさそうです。
こういう人類にとって重要な遺跡をできるだけ救うためにも、無意味な争いはやめて、そのエネルギーをこういう方向に使えないものか。いつもそう思って、思うだけ。何も出来ない自分は本当に無力だなと感じています。
エジプトだけではなく、日本でも戦火で燃えてしまったお城などもありますし、今でも観光客に傷つけられる重要文化財などもあります。全部を守るのはとてもむずかしいことですが、せめてあえて傷付けることだけはなく、できるだけの物を守れたらなと思っています。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます