「おい雄馬、昨日見たぞ。山下香奈子と二人三脚で帰ってたけど、二人三脚大会でも有るのか?」


 次の日、そう言ってきたのは親友の晴斗はるとだ。


 二人三脚大会ってなんだよそれ?そんなわけ無いだろ。


「ということは、信じたく無いが、学年一の美少女であり、スポーツ万能、成績優秀、立ち居振る舞いが可憐な山下香奈子と付き合ってるのか?羨ましい奴め、と思いかけたけど……」


 俺は知っている。けど……の後には否定的な言葉が続くんだ。


「とんだバカップルだな」


 薄々感じてはいたけど、周りからはやっぱりそう見えてるのか。


「あの山下香奈子が二人三脚で帰りたいなんて言うはず無いから、あれはお前の発案なんだろ?」


 いや、あの山下香奈子が手か足かと選択肢を出したんだけど、足を選んだのは俺だから……


「ああ、そうだよ」


と答えるしかない。晴斗は呆れた顔をして言った。


「お前って、非凡だな」

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