第6話:魔族さんがまとも過ぎます!人間が悪役みたいなもんですどうしましょう!?


「なんだ......土の芋虫......?」


 奴は割と近くから芋虫の様な土の塊に驚いている様に見える。というか驚いていて欲しい.....


(一旦動かして様子を見るか.....)


 俺は芋虫に魔力を送り虫塊を動かす。


ゴゴゴゴゴグギャングギャン


 虫塊が奴に襲いかかる。


「.......虫か......はぁ.......」


 ため息が聞こえた?......嫌な予感がする......


滅壊激潰死死戒メッカイゲッカイダイシカイ


グシャアグシャアグシャア ゴロゴロゴロ


 俺は土の道を作り、奴に迫る


九極土良流きゅうきょくどりる


ゴッギュルギュルギュルン


消失滅壊ショウシツメッカイ


 フォーン シュン


 紫の渦で土良流が消えた


「チッ......」


「狂人だな.....」


土剣地大どつるぎじだい

「こうでもしないと勝てないんでね」


 地面から土剣が出現し奴に斬りかかる


消滅悪手ショウメツアクテ


 ボロボロボロ


 奴の手に触れた土剣が崩れる


(厄介だな......)


「.........」


 奴が殴りかかってくる。


(間に合え土突槍放どつそうほう


ドッゴン グゴン


「ぐっ.....」

 奴の腹に極太の槍がブチ当たりぶっ飛んだ


(このまま......いけるか.....土流牙乱どるがらん

 

 ゴッゴッゴッゴゴゴッゴゴゴッ


 土の牙が次々と奴の方へ次々に飛んでいく


ズッズッズ


「........吸撃収反亡破無死キュウゲキシュウハンナキハナシ


 グロォン ギョロンギョロンキュルンギュルン


 黒紫の土の牙が禍々しい穴にどんどん吸い込まれていく


(凄い吸い込まれていくな.....昔魔力を吸収してくる奴も居たけど結局最期は吸収出来なくなったし、このままでいくか。)


 グロォン ギョロンギョロンキュルンギュルン


(お〜どんどん吸い込まれていくな〜......もしかしてやばい?というかこれ出来るか?)


グロォンギョロンギョロンキュルンギュルン


(あ〜......出来ない......出来たらめっちゃ強いんだけど、まぁ無理なもんはしょうがない。気合いを入れるか......)


 ギュルギュルン


「そろそろだな......」

空籠土乱からばこどらん


 奴が土の籠に閉じ込められる。


 ドゴドゴドゴドゴ


(ビンゴ!さらに.......土撃乱獄どげきらんごく


ゴガンゴガン ゴゴゴゴゴ


 籠の中に大量の鋭い牙が飛び暴れる。


(これでいけるか.......?)


ゴガンゴガンゴガンゴガン


崩滅壊亡嫌呪ホウメツカイボウ ケンジュ


 ガゴォン ゴロゴロ


 籠が崩れ、奴の姿が見える.....何やら禍々しい雰囲気を纏っている.......


(来る......)


 ドン


 地面を力強く踏み込んだ奴は俺の方に勢いよく向かってくる


九極土良流きゅうきょくどりる


ゴッゴッゴッゴ


 俺は向かってきている奴を迎え撃つべく土良流を準備しておく


陰隠密影忍曲異者カゲオンミツエイ シノブマガイモノ


シュン.....


(は......消え.....いや.....違う.....)


ゴゴゴゴゴ


 俺はギリギリ見える人影の方向に土良流を向かわせる


(影で解るのか.....ならコッチ.....)


トッ


(なんだ.....影はコッチに来てる...でも土良流は当たらない......上か!)


足掻苦無慈悲那刹アガクムジヒ ナセツ


土生壁どせいへき


ゴッゴッゴッゴ


 俺が声が聞こえた方に急いで土生壁を生成した。


 ゴシャア


 トッ


 一歩下がり塞いだ方向を見ると、綺麗じゃない白い刃?を持った奴の姿がハッキリと見える....


(決めるなら今だな.....双極強威流土そうきょくしいるど


ゴゴッ ガジャッ


 2つの極太の土盾が奴を押し潰す....


(なんだ.....挟まれているのか.....咄嗟の判断でなんとか潰されてまではしてないか.....)


「さぁどうする魔族の青年。このままじゃ潰れるぞ潰すぞ。しかも魔法は効かないぞ。」


(......確かに効かなくなってるな.....ならシンプルに......)


ドゴォォォン ドン


 2つの盾が一瞬奴から離れ、一瞬の間に奴は抜け出した


(まずいな.....どうしよう......なんで煽ったんだろう....バカなのか......俺......)


(魔王からの命令はわかったしもう良いか)

「.......これ以上の戦いは不必要......これを受け取れ。」


「ん.....?おっと、なんだ?」


 俺は突然手を止めた奴から飛ばされた1つの手紙を受け取った。


「それは魔王様からお前らの主人への手紙だ。あとで渡してくれ。」


「あぁ......どうも?というかなんで襲ってきたんだ?頭おかしいのか?」


「魔王様からの命令だ。例えるなら自分の家に入った泥棒が勝手に部屋を作ったらキレるだろ?」


「なるほど.....そりゃそうだ。」


「以上だ。」ドゥルン トッ


 そう言い奴は禍々しい穴に入り去った。


(さて.....どうしたもんかねぇ......ん?)


 辺りを見渡すと、かなりぐしゃっとした感じになっている。けど場所は変えたから村には被害はないと思う。というか集まってた人達は何処へ行った?居ないんですけど。


(なんで居ないんだろう?まぁシルト達が避難でもさせたんだろう。ちょっと待てば来るか。)


 そう思い俺は噴水の所で少し待つことにした。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る