エッセイの書き方を知らない

記者:今回は初めてエッセイを書いたとのことですが――

筆者:えぇ、エッセイといえば『ちびまる子ちゃん』でお馴染みのさくらももこさんの作品くらいしか拝見したことがないのですが、今回は初日の出を見るために奮闘する自分というコンセプトで書いてみました。正直な話、徹夜していたので色々な感覚がうろ覚えで、初日の出を写真に撮ることすらできなかったくらいです。初日の出と共に寝ましたし。


記者:なぜエッセイを書いてみようと思い立ったのですか――

筆者:2023年は小説をいっぱい書きたいなという思いがありまして。それと、これまでやってこなかった文学賞への応募とかもしたいなぁ……と。ただいざ書こうと思い立ったとき、思うように指が動かない。色々と原因を考えたんですが、これまでは仕事を言い訳にして執筆というものから離れていたんですよね。そのリハビリを兼ねてエッセイを書くことにしました。毎日投稿は無理でしょうが、週三くらいのペースでエッセイを連載できれば上々じゃないでしょうか?


記者:アレは本当にエッセイと呼べるものだと思いますか?

筆者:……アレ、というのは?


記者:勿論、あなたが書いた『初日の出』という作品のことです。

筆者:まぁ、その……エッセイに書くような面白い出来事は新年早々から起きなかったと言いますか、連載初回からこけるというのは本末転倒、天変地異、奇々怪々と言いますか。クロード・モネが描いた『印象・日の出』も最初は受け入れられなかったというじゃないですか、自分が描いた『初日の出』も同じような感じでですね、いつかはエッセイとして受け入れられるんじゃないかって。こう起きた出来事、自分がしたことよりも、その時の思考にフォーカスを当てて――。


記者:あなたは初日の出を見る前に、宇宙年表のことを本当に考えていたのですか?

筆者:……いえ、考えていません。


記者:では本当は何を考えていたのですか?

筆者:……徹夜のおともとして、アニメ『プリンセス・プリンシパル』の劇場版を見ていたので、その考察をずっと頭の中でしてました。あとは『かがみの孤城』の映画を見た後に買った小説を、映画を思い返しながら読んでました。映画よりも小説の方が、虐め描写が色濃かったなぁとか考えていたと思います。


記者:ではそういったことをエッセイにしたためればよいのでは?

筆者:……まぁ、そういう作品の感想を吐き出す場所はブログがあるので、エッセイはそういったことを排除すべきかなぁ……と、そんな感じです。はい。


記者:つまりあなたはエッセイと言っておきながら嘘を書いたと?

筆者:……。


記者:次からはちゃんとエッセイを書きますか?

筆者:……はい。


記者:では言質も取ったということで、筆者さんの次の作品にご期待下さい! 以上、エッセイのネタが尽きた筆者の心の叫びでした!

筆者:……いや、尽きてないですよ! ちゃんとネタはあ(以下、音声が途切れて聞こえないため割愛)

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