第6話 サイコロ

告白するかどうか悩み、サイコロの目に任せることにした。


1が出たら君に思いを伝える。確率は6分の1。


今日もサイコロは1を出してくれない。時間だけが過ぎていく。


次の日ようやく1が出たのに、君の隣には知らない男がいる。


君が彼氏だと紹介した。俺は頭が真っ白になった。


聞けば数日前、彼が一目惚れしてアタックしたそうだ。それも何回も。


彼女は俺に気が合ったと思う。だからすぐには付き合わなかったんだ。


誰もいなくなった教室で、ポケットに入っていたサイコロをゴミ箱に捨てた。


最後に出た目は1。別れ際、彼女は俺を見つめていたのを思い出す。


俺は大声で泣きながら笑った。違う目が出たら告白しようと思っていたのに。








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