第10話放課後

部活動の後に水原が待っている教室へ藤田は向かった。


また、リフティングを水原はしていた。


「水原の、兄ちゃんってどんな人?」


「あ、来てたんだ。覗き見してたの?」


水原は、笑って顔にエクボが出来た。


「お兄さんは、勉強が出来て運動神経もプロ並みで少し藤田君に似てたかな。」


「じゃあ、お兄さんは、今はプロサッカー選手?水原っていたかな?」


「お兄さんは、死にました。わたしを狙ったストーカーに刺されて死にました。」


しーんとしてしまった。


「わたしは、不器用で勉強も運動神経も悪かったんです。」


「え?」


「兄は、すごい人だったので一生懸命勉強してスポーツにも力入れました。親も喜んでくれました。」


そっか‥‥。


僕は、泣いていた。


「優しいんですね。」


「悲しかったよな?辛くても勉強もスポーツを一生懸命頑張るなんて‥。」


振り切ったように、元気な声で水原は言った。


「勉強しましょう。」


プリントを渡された。


「これを解いてみてください。」


「あれ?分かる答えが分かる。」


「成功ですと水原は言った。満点ですね。やっぱりやれば出来ますね。」


と水原は、微笑んだ。





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