初恋を君にした

卒業アルバムを見せ合うときなんかに

話題になることがあるだろう

「誰が好きだった?」

確かに君が好きだったけれど

僕は一つの嘘をつく


初恋だって


好きな人はその前にもいたんだ

でもいなかったことにしても

誰も気が付かないんだ

君とだって何もなかった

でも

初恋は君でありたかった


嘘をつき続けて

誰も気が付くはずがなくて

大変な恋もして

曖昧な恋もして

大変な失恋もして

笑えるような失恋もして

大人になって

大人であって

そんな僕はやっぱり

初恋は君でありたい


伝える日はきっと来ない

伝えたところで意味はない

でも

初恋はこの人だって

何度でも指さしたいんだ

そういう恋だった


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