5:先輩がわざとらしくパ○ツを見せてくる


「お、お疲れ様でーす」


「あーお疲れ真田くん。昨日は彼女さんと楽しんだぁ?」


「え!? あー……はい。す、すごく楽しかったです!」


 今日も今日とてバ先に出勤すると、ニコニコしながら土屋先輩が昨日のことを聞いてきた。本当は家族でばあさんの誕生日を祝っていただけだが、先輩にまた見栄を張って彼女と遊んだとか言ってしまったもんだから、嘘を突き通すしかない。


「そっかぁ……本当に真田くんは彼女さんのことが大好きなんだね」


「ま、まぁ……は、はい」


「いいなぁ〜私も彼氏欲しくて欲しくてしょうがないんだよ。どこかに可愛いけど、時々かっこいいところも見せてくれる年下の子はいないかなぁ〜」


 あれ、土屋先輩は彼氏がいないんだ、ちょっと意外。こんな美人な大学生は当然のごとく彼氏がいるもんだって思ってたけど。でも可愛くて時々かっこいいところを見せてくれる年下の人かぁ。そんな人、モテるだろう土屋先輩の周りにいそうだけど。


「土屋先輩ならきっとすぐ見つけられますよ。先輩、すごい美人だし」


「えー! そ、そうかなぁ〜真田くんにそう言ってもらえるならきっともうすぐ彼氏できちゃうかもね! あーすっごく気分がいいや、バイト頑張ろう!」


 なんだか随分と気を良くしたみたいで、土屋先輩は鼻歌交じりに休憩室から出て行った。結構彼氏ができないことを悩んでいたのかなぁ? 俺が土屋先輩に誰か紹介してあげたりすればいいのかもしれないけど……なんでか、それは嫌だ。


「相変わらずお客さん来ないねぇ〜」


「ですねぇ」


 それからバイトが始まってしばらく経った後。全然人が来ないので俺たちは正直暇していた。時々お客さんが来てくれないと眠くなったりするから、すごく暇なのはこっちとしても困る。


「私、品出しするね。あ、真田くんも手伝ってくれる?」


「了解です」


 そんな暇な時間を潰すために、俺たちは品出しを始めた。土屋先輩と一緒に減ってたお菓子とかを出していたんだけど……その途中。


「あ……つ、土屋先輩!」


「なーに、真田くん。どーしたの?」


「い、いや……その……」


 先輩がしゃがんで品出ししている最中、いつもよりズボンが緩いのか……先輩の水色の下着がちらっと見えていた。昨日もブラが見えてめっちゃ困ったけど、これはこれで……なかなか目のやり場に困る。しかも直接指摘してもいいのかすごい迷うし。


「顔赤くしちゃってどうしちゃったの? ほらほら、早く品出し終わらせよー」


「うっ……」


 ズボンがだんだんと下がっているにも関わらず、先輩はそれに気づいていないのか全く直そうとしていなかった。もしかして、わざとそんなことをしているのか……? い、いやでもなんでそんなことするんだよ。エロ漫画の読みすぎだって俺!


「そういえば真田くん。昨日純白の下着が好きって言ってたけど……水色はどう思う?」


「へぇ!? あ、え、えっと……か、可愛くてかつエロくてとってもいいと思います!」


 ……あああああああああああああなんで俺は馬鹿正直に答えてしまったんだあああああああああああああああああああああああああああああああ!


 こんな質問してくる土屋先輩もおかしいとは思うけど、チラチラ見てしまった先輩の下着の色を好きですって答える俺も十分変だ!


「そっかぁ……真田くん、えっちだね」


「ふぇ!? あ、え、えっと……」


 先輩はニマニマと笑いながら、立ち上がって俺の元に近寄ってくる。このままじゃまずい、もっとボロを出してしまうってわかり切っていたのに。俺はつい足を止めて、情けなくあたふたするしかなかった。


「今日はこの後空いてるよね? なら私と一緒にどこかでご飯食べにいこ——あれ、電話?」


「あ、俺がとります!」


 店に電話がかかってきたので、ひとまず俺が電話に出る。すると、今日俺たちの後に出勤予定だった人たちが同時に体調不良で出られないらしく、残業してくれないかと店長から連絡がきた。そればかりはしょうがないので、俺と先輩は店長が来るまで残業をすることになってしまった。


 店長家遠いから結構遅くなるだろうな……。


「親に連絡してきました。終わったらすぐ帰ってこいだそうです。」


「…………そうだよねぇ、遅くなるし」


 なんだかすごくがっかりした様子を先輩は見せていた。それもそうか、本当だったらしなくてもいい残業をする羽目になってしまったんだから。俺だってちょっとがっかりしているし。


 ……でも、先輩ともっと二人きりでいられる時間が増えて少し嬉しいな。




「なんでホテルに連れ込めそうだった今日に限ってこんなことになっちゃうのぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお! 神様、お願いです真田くんとえっちさせてくださいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい! 私のパンツ、チラチラ見ちゃう真田くん可愛すぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る