第9話 『破顔』
信じようが、信じまいが―
1994年、W村に帰省した山口氏は村の人間が全員亡くなっているのを発見した。
奇妙な事に村民は一人残らず口角を上げ、目を見開いてたまま亡くなっており、笑っているというより、笑わせられている様だったという。
凄惨な現場を目撃した山口氏だったが、恐怖するのと同時に安心していた。
笑いながら死んでしまう程に恐怖する何かを見ずに済んだ───と。
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