第27話親戚のタカヒロ君

2024年1月5日。葛西のロフトでタカヒロ君に毎年恒例のスケジュール手帳を買ってもらった。高価なものはやはり気が引けるので、1500円のコンパクトで安価な手帳をねだった。ユニクロでヒートテックくつ下も買ってくれて、帰りに一緒にゲームセンターで遊んだ。


行き帰りはタカヒロ君が車で送ってくれたのだが、その帰り道、少し経済学の話になった。

タカヒロ君は、

「俺は積極財政自体には賛成だよ。ベーシックインカムはいい。カネを刷りまくってバラまけばいいじゃんと思ってる」

「ただ、積極財政には課題もある」

「インフレの原因はコロナによる世界的な財政出動にある。と俺は見てる」

「インフレが悪性インフレにならないかという問題と」


「積極財政をした場合、例えば、エッセンシャルワーカーのモチベーションはどうなるのか。今現在はみんなお金のために働いているけど、お金の心配がなくなったら動機づけが変わってくる」

「社会的身分とか立場が優先されるようになると、たとえ給料や年金を2倍にしても、みんな体裁の悪い仕事は嫌だとなるかもしれない」

「本当に。積極財政はやってみなければ分からない部分が多い。竹中平蔵の構造改革、新自由主義だって、やってみる前はこんな惨状になるなんて予想はつかなかったんだぜ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る