天才(父視点)

 私の息子ヒースは天才だ。


 生まれてすぐに言葉を話し始め、その半年後には文字すら読めるようになった。


 生後半年から始めた魔法の練習もうちの妻が考えた新理論をによって直ぐに俺よりも強い魔術師になってしまった。もっとも私の魔術の魔術の腕は貴族としてあまり褒められたものではないが。 


 次に驚くことになったのは剣術を教える時だまさか稽古初日から負けるとは思はなかった。これでも私は学園時代は剣術の授業でトップだったのだ。負けた時は所ショックだった。そのあとヒースに「僕の剣は対人戦用です。それに比べ父様の剣術は魔物戦にも有効で参考になります。」となぐさめられた時は、この天才は傲慢さすらない完璧人間かと思ったものだ。


 極めつけは今回の一件だ。


 私がしたくても出来なかった奴隷制度の廃止をたった一人で、それも誰の反対もが得をする形で成し遂げてしまった。


 正直ヒースの言ってる理論は分からないところも多々あったし、何とかついていくのがやっとだった。

 

 それでもこれだけはと思って半分意地悪をするつもりで聞いた質問もあっさりと事前の準備がされていた回答をされてしまった。


 思うにヒースは私がこの質問をするのを分かっていたしこの質問をするように誘導したのだろう。


 所詮凡才では天才の手のひらで踊ることしかできないのだろうか。


 私は今回の件でこれからの領土運営はヒースに任せることにした。もともと先代から受け継がれたこの領土を上手く運営できていなかったしヒースに任せた方がうまくいくだろう。


 出る杭は打たれる。


 たとえ天才だったとしてもこれからヒースは様々な苦労をし、危険な目にもあうだろう。


 しかしこの目の黒いうちは必ず守って見せよう。


 守護を任された辺境伯として、何よりもヒースの親として。


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 父親視点を書いてたら、いつもより短めになってしまいました。短めだからと言って引き延ばしとこの後にヒース視点を入れるのも嫌だったのでそのままになっています。


 ちなみに父親がこの質問をするように誘導したみたいな邪推をしてますがそんなことはありません。まぁ主人公は自分の話を父が完全に理解している思っているのであの質問されるのは予想の範囲内でしたが。

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