青春のキャンバス、武蔵野の吉祥寺は懐かしい幻想だろうか……。

作者の描く世界に学生時代過ごした懐かしい風景が重なってきます。時代の荒波の中で吉祥寺の街も姿を変えていく。本当ですよね。

読み進むにつれ、井の頭公園の白鳥ボートがゆったりと浮かぶ光景が浮かんでくる。
「あくせく働かなくても良いんだよ」そんなエールも聞こえてきそうです。さらに、池の畔でお婆ちゃん音楽ライブなんて粋な世界ですね。然り気無い会話の中にもほのぼのとする空気が感じられてきます。あたたかい作品、ありがとうございます。