これは様々な困難を乗り越えて、かりそめの家族が成り上がっていくお話。

(2023年2月14日)掲載されている1部までをお読みしました。

一行一行の行間を空ける書きかたが、目に優しく、メリハリのあるお話で、とても読みやすかったです。


巨漢のノルドに、貴族令嬢のユリシア、遺跡で発見された兵騎の乗り手の赤ん坊サティ……。

互いに不幸な前世を背負いつつも、転生した世界でこそ、しあわせになろうとする仮初(かりそめ)の家族たち。


数奇な運命によって、家族となった彼らも、愛によって仮初ながら、本物の家族以上の大切な関係を築いていきます。


そこには、困難もつきまといますが、ことごとく乗り越えて、成り上がっていく姿がサクセスストーリーを見事に演じてくれました。


基本的に、勧善懲悪で進むストーリーは、ピンチになったヒーロー家族が、危機一髪で悪役を退治する姿が、勇ましくあり、花形のような魅せ場があります。


異世界で、平民を支配する、封建社会の王侯貴族の世情も、よく表されていました。


この辺りの描きかたは、現実の歴史をよく学ばれているなと感心し、矛盾なく世界観に没入できました。


入りやすい世界観に、仮初の家族が挑戦する、困難試練を乗り越える姿が、爽快であり、また家族愛に和まされるお話です。


家族となった彼らの今後が、娘サティの成長とともに、どんなふうに描かれれいくのか?、とても楽しみです。

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