獅子王

kou

2022年12月22日更新 第19話『青年の名前』までのあらすじ 主な登場人物

 日本人なら誰しもが見た小景がある家。

 孫に請われて祖母は、昔話を語る。

 それは、人が鬼魅と化し、一人の美しい侍が太刀を以って人々を救い、《王》に刃を向けた物語。

(第1話 語り部)


 医師・佐伯公恵は背中を負傷した女性と遭遇し、それを救護する。

 女性は背中を刃物で斬られていた。公恵の前に、太刀を手にした青年と、牙を生やした男が現れる。

 青年は男を《悪口あっく》と呼び戦うが、悪口に逃走され、青年も姿を消す。

(第2話 鬼魅)


 公恵は負傷した女性の手術を担当し、この出来事を推察するが、その時何者かの気配を憶える。

(第3話 うねる空)


 《悪口あっく》・大橋信は魔人の力を手に入れたことで、白菱組組長・菅村篤に対し牙をむく。

(第4話 怨返し)


 千鳴寺の元住職・法信ほうしんの元を青年が訪ね、調伏を依頼する。法信は太刀を携えた青年を、獅子殿と呼び武運を祈る。

(第5話 獅子殿)


 公恵が救護した女性・志水洋美しみずひろみは意識を取り戻すものの、事件のショックから精神を病んでいた。被害者が証言できない以上、公恵が唯一の目撃者となるが、それでも名も知らぬ青年を犯人ではないと信じていた。

(第6話 目撃者)


 青年は《殺生》《両舌》という鬼魅と化した者を斬る。鬼魅と化した人間を救う術は無いと自ら語ったにも関わらず、その者に対する心慮から不覚を取っていた。

(第7話 失格者)


 警察の事情聴取にウソをついた公恵は、青年が犯人ではない証拠を得るために法医学教室の恩師である武内勲たけうちいさおに意見を求めた。そこで公恵は、洋美を斬ったのは青年だと確証を得てしまう。

(第8話 生きた剣士)


 新聞記者の石川健太郎は男達かに拉致され、拷問を受ける。男達が聞き出したかった事、それは、志水洋美の行方であり、その場には《悪口あっく》の姿があった。《悪口あっく》は日ヶ崎医療センターの医療スッタフ紹介から、佐伯公恵が外科医であり志水洋美の命を救ったと察し、それに激怒する。そこには、2人目の魔人の姿もあった。

 佐伯公恵、殺害のために白菱組が動き始める。

(第9話 正義の始まり)


 そんなことを知らない公恵は、オープンテラスカフェで一時を過ごしていると、青年と再会する。

(第10話 再会 偶然と必然)  


 白菱組では青年の居所を掴む。青年の命を狙って、白菱組の戦闘部隊が動き始める。

(第11話 戦闘部隊)


 戦闘部隊は、街中で青年を追い詰める。比率は6対1。

 青年と戦闘部隊との戦いが始まる。

(第12話 色男狩り)


 佐伯公恵は小児病棟の患者である菊池亜里沙を連れて、ボランティアを務める千鳴寺の元住職・法信が《悪口あっく》という言葉を口にすることを聞く。

(第13話 十悪)


悪口あっく》・大橋信は3人目の魔人の仕上がりに立ち会っていた。《王》逆らう反逆者に対しての駒が揃った瞬間であった。

(第14話 3人目の魔人)


 佐伯公恵は法信から、十悪と大罪について『浪漫古書店』の女主人・長瀬摩耶を訪ねる。

 そこで公恵は、大罪を犯すことによる《力》のことを知る。

(第15話 深淵をのぞく)


 公恵は青年と再会する。

 そんな二人に、姿を現す3人の魔人・悪口・偸盗・貪欲。

 青年は太刀を抜き、魔人に立ち向かう。

(第16話 魔人包囲網1)


 貪欲の妖術・竜巻の息吹を受けて死んだかと思われたが、青年と公恵は生きていた。

 青年が呼ぶ咎人という3人の魔人は、その力で青年を圧倒しているかと思われた。

 しかし、青年は咎人の前に歩み出る。

 公恵を守りながらではない、攻めの一点に集約された青年の戦いが行われる。

(第17話 魔人包囲網2)


 3人の咎人の内、悪口あっくのみに逃げられた青年だったが、公恵を無事に守れたことに安堵する。

 だが、公恵は青年が銃創を負っていることに気づく。

 それは、悪口が撃ったワルサーPPKによるものだった。

 救急車や治療を申し出る公恵だったが、青年は拒否をする。

(第18話 GSW(ガンショットウーンズ))


 銃創を負った青年に野外手術を行う公恵は、無事に手術を終える。

 青年から語られる十悪の魔人・咎人の正体。

 そして、公恵は青年の名を知る

(第19話 青年の名前)



登場人物

青年:清和ライ(頼)(せいわ らい)

:氏名不詳。太刀を持ち、牙を生やした魔人が公恵を襲うのを助けるが、女性を負傷させた疑惑がある。

 古武術を使うらしく戦闘訓練を受けた者ですら、ほぼ右腕一歩で倒す。

 第19話で名前が判明する。

 

佐伯公恵(さえき きみえ)

:日ヶ崎総合医療センターの医師。負傷した女性を救護する。その最中、青年と牙を生やした魔人との戦いを目撃する。


志水洋美(しみず ひろみ)

:日本刀で斬られたらしく、公恵が手術を担当し患者となる。回復するものの事件のショックから精神を病む。


悪口(あっく) 氏名・大橋信(おおはし のぶ)

:肉食恐竜のような牙を生やした不気味な男。1人目の魔人。

 公恵と女性を襲うが青年によって阻まれ逃走する。

 白菱組の準構成員ではあったが、組長・菅村篤に牙を剥く。


偸盗(ちゅうとう)

:悪口に続く白菱組2人目魔人。

 身体の5倍の長さの腕を持ち、鋭い爪を持つ。

 石川健太郎の殺害を行う。


貪欲(どんよく)

:悪口に続く白菱組3人目の魔人。

 5mもの巨体を持つ。

 誕生には時間がかかったらしく、竜巻の息吹を吐く妖術を使う。


雄島崇裕(おじま たかひろ)

:白菱組の若頭。魔人化した大橋信に従う。


菅村篤(すがむらあつし)

:この地方における暴力団組織の一翼を担う、白菱組組長。


田辺里香(たなべ りか)

:志水洋美の担当看護師。公恵と共に治療に当たる。


法信(ほうしん)

:80歳になる千鳴寺の元住職。先代から鬼魅と戦う存在を聞かされていた。青年を獅子殿と呼び、青年から調伏の依頼を受ける。


彗慈(けいじ)

:法信の弟子。千鳴寺の住職。


武内勲(たけうち いさお)

:医学部法医学教室の教授であると同時に監察医を務める。公恵の恩師。

 志水洋美の受けた傷について、見解を行う。


菊池亜里沙(きくち ありさ)

:小学2年生の子供。公恵の患者の一人で盲腸の手術で、入院している。

 病院で入院している子供たちの中で、トップクラスのやんちゃっ子。


長瀬摩耶(ながせ まや)

:『浪漫古書店』の女主人。オカルトに造詣の深いらしく。大罪についての仮説を公恵に話す。


石川健太郎(いしかわ けんたろう)

:新聞記者。志水洋美が襲撃された事件の記事を書くが、それが元で白菱会に拉致される。

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