"生きる人"を肯定してくれる話

 これを読み終わったとき、不思議と私は、これは私のために用意された作品なのでは?と思いました。そのくらい素敵な作品で、私の心に響きました。

 私も、嘘を吐いたことがあります。人を傷つけたことがあります。それがいけないことだと知っていても、反省していても、今もまた、同じように悪いことをしてしまうことがあります。
 その度に申し訳なく思います。

 主人公の思うことが、ほぼ私の思っていることと重なりました。
 せっかく貰った命なのに、自分はこんな生き方しか出来ない。出来なかった。
 でもこんなに生きた。
 いいことばかりじゃなかった
 でもいいことが無かったわけじゃなかった。

 そんな私の人生まで、この作品は肯定してくれたように思いました。

 五千字に満たない短編でしたが、とても重厚感のあるお話でした。読んでよかったです。ありがとうございました。