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  • 4-4への応援コメント


    最終話を読ませていただきました。
    最後まで、小説としてのすばらしさと感激、それによって得られる学びや教訓……ふたつが両立した、ほんとうにすてきなお話でした。


    スウォンツェさんの治療が終わり、シュユさんが予防の話を始めた頃から、シュユさんは今後……説明を終えたらどうするんだろうという想像がありました。

    セティフラム領に残るのか、それとも、セティフラム領を旅立ってしまうのか……と。

    そしてこの最終話でシュユさんがセティフラム領には留まらないということが決定したとき、『ああ、やはり……』という思いがありました。
    爽やかな納得と感動がありました。

    このままセティフラム領に留まれば、セティフラム領にとって大きなプラスになることは間違いなかったでしょう。
    何しろ、ここまでフィルアシス症に詳しい幻療士はシュユさんの他に何人もいないでしょうから。

    また、シュユさんの領内の活動もとても楽になったはずです。
    シュユさんがここにとどまると言えば、リュカさんは最大限の援助をしてくれたに違いありません。
    シュユさんはエデンガーデン辺境伯の令嬢ですから、元々生活に困るということはなかったでしょうが、シュユさんがセティフラム領内で予防活動をするにあたって、様々な手続き上の不都合はなくなったでしょう。

    ですが、シュユさんはセティフラム領から離れることを選んだ。
    それはもちろん、リュカさんやベアトリスさん、スウォンツェさんが嫌いなのではなく……
    むしろ、リュカさんにもベアトリスさんにもシュユさんはすごく感謝しているでしょうし、特に、ベアトリスさんに対しては、良い意味で遠慮の必要ない、いわば『戦友』のような気持ちを持っているのかもしれない……と思いました。
    だからこそ、『どうかご覚悟を』という言葉も出てきたですよね、きっと。


    この地には、リュカさんという頼もしい領主とベアトリスさんという、自分の代わりを任せられるひとがいる。
    だからこそ、シュユさんは旅立つことを決めたのですよね。

    ベアトリスさんが頼りなかったら……あるいは、リュカさんが協力的でなかったら……シュユさんはまだセティフラム領に留まっていたでしょう。

    二人をを信頼できるからこそ、その地を去る……
    シュユさんとメディレニアさんはそうして、『助けを求める幻獣たちの声を聞き逃さないようにする』ため、次の場所に向かうのだろうなと思いました。

    別れのシーンはどうしても寂しくなりますけれど、でも、この別れはほんとうに爽やかな気持ちで読むことができて。
    シュユさん、そして、現実の医療関係者の皆さんへの心からの感謝と、自分も他人事ではなく、できることをしていこう……と思えるすばらしいシーンでした。



    もなか様のこの作品に出会えて、読むことができてほんとうによかったです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    読了コメント、本当にありがとうございます。

    この話を書こうと思った大きな動力源は、フィルアシス症のモデルになった病気の危険性が軽視されているのではないかと個人的に思ったことからでした。
    予防をできていれば問題ないけれど、予防をしなかったら最悪の事態につながるおそれだってある病気だから、そういう病気もあるんだということを知ってもらえたらなぁ……と思い、そこからシュユという主人公が誕生しました。
    なので、この話で少しでも何か感じるものがあったのなら、とても嬉しいです。

    こちらこそ、シュユと旅路を最後までともにしていただき、ありがとうございました。

  • 4-3への応援コメント

    今回もとても興味深く読ませていただきました。

    シュユさんによって語られる、3つの予防法。

    フィルアシス症にはモデルとなった現実の病気があるということでしたから、おそらくその現実の病気にも3つ、あるいはそれ以上の予防方法があるののでしょう。

    そして、今回の話で特に印象に残ったのは、その予防法が複数あるということでした。
    薬がなぜ三種類あるのか。
    それは、使い分ける必要があるからでした。

    緑のラベルのイヴェルクチア、青のラベルのセラクティア、そして赤いラベルのモキシア。
    それぞれ、目的は同じですが、幻獣の体内でどのように作用するかは異なります。

    目的が同じなのに、異なる作用の薬をいくつも開発する理由は、幻獣によっては薬の作用が糸状虫だけでなく、幻獣にまで悪い影響を与えてしまうからでした。

    たった一種類、これだけあればいいという薬は存在しない……作中の世界においても存在しないというところが、私達の生きる現実であってもそうなのであり……
    医療の重要性と、けれど万能ではないという、その絶妙なバランスが描かれていて、感激しました。


    そして、医療・医学は万能ではないけれど、でも、そこに携わる医療関係者は、自分が万能でないことをわかっていて、それでも、少しでも多くの幻獣が予防の恩恵にあずかれるようにと、イヴェルクチアが使えなければ、セラクティア、モキシア……と、少しずつ、でも、着実に幅を広げてきたのだと……

    そしてそのゆっくりとした、着実な歩みは、現実においてもそうなのだろうなと……物語のおもしろさを感じるのと同時に、治療法、予防法の周知の重要性をも感じる……私自身にも大きな財産となるお話だったと思います。



    次回はいよいよ最終話ですね。
    読ませていただけるときを楽しみにしております。

    ほんとうにありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメント、ありがとうございます。

    フィルアシス症のモデルになった病気にも、たくさんの予防薬があるんですよね。
    一番有名なものから新しく開発されたものまで、調べてみると本当にたくさんの種類があって……。
    病気の原因となる寄生虫を取り除いて病気を発症しないようにするという目的は同じでも、異なる効き方によって効果を発揮するようになっていて、それだけ長い時間をかけてこの病気と戦ってきたんだなぁと思うものがあります。
    もしご興味があれば、薬の成分がどんな仕組みで効いてくるのか、ぜひ一度調べてみてください。

    また次回、もとい最終話も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、本当にありがとうございました。

  • 4-2への応援コメント

    今回もとても楽しく読ませていただきました。

    シュユさんの幻療士としての想いと広い視野が強く感じられる、ほんとうにすばらしいお話でした。


    シュユさんがリュカさんにお願いしたいこと……おそらくフィルアシス症のことについての何かだろうとは思っていましたが、予防の徹底とは想像していませんでしたから、驚きと共に感動しました。


    シュユさんは、スウォンツェさんの治療をする前に、リュカさんに対して、お願いしたい条件があると言っていました。
    つまり、手術の前から、手術の後のことを見据えていたということになります。
    シュユさんが取り出した予防薬からも、ずっと前から予防を徹底するべきだと思っていたんだ……と教えてくれます。

    もちろん、手術のときは、手術に全力に取り組んでいたシュユさんですが、同時に、『それで終わりではない』ということも、しっかりと理解していたんだろうと想いました。


    これは結果論ですが、スウォンツェさんがフィルアシス症にかかる前に、シュユさんが領内の予防を呼びかけたとして、リュカさんやベアトリスさんはここまで、文字通り『親身になって』聞いてくれなかったかもしれない、と思ったのです。

    リュカさんの相棒、半身たるスウォンツェさんがこんなにも苦しみ、ベアトリスさん一人では手に負えなかった難易度の高い手術を経たからこそ、リュカさんもベアトリスさんも、予防をしていれば確実に防げるのであれば、と強く感じたのだと思います。

    今回はシュユさんがいてくれたから助かりましたが、もし近くにいなかったら……
    思わずそう考えてしまい、良い意味で背筋がぞっとし、同時に、シュユさんがいてくれて本当に良かったとしみじみと実感させていただきました。



    次回も非常に楽しみです。ほんとうにありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅れてしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    フィルアシス症の予防をお願いするシーンは、絶対に入れたいと思っていたシーンでした。
    というのも、フィルアシス症のモデルになった病気も予防をすれば確実に防げるという一面がある病気でして……。
    致死性が高いからこそ、確実に防げる手段があるならそうしたほうがいいのではと思ったのがきっかけで、この話を書こうと思った部分があります。
    なので、フィルアシス症にも同じ面を作り、シュユに予防の重要性を語ってもらいました。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、本当にありがとうございました。

  • 4-1への応援コメント

    最終話4-1、とても楽しく読ませていただきました。


    前の章までが手術シーンで緊張感が続いていて、最後に手術が完了したことから、今回は手術の後の場面を楽しませていただきました。

    手術をして終わりではなく、パートナーであるリュカさんに報告するところが、シュユさんのプロたる所以なのだなと思いました。

    診断し、執刀したシュユさんは、今スウォンツェさんがどういう状況にあるのかよくわかっていますが、リュカさんは手術が終わったということしかわからないんですものね。

    自分がどういう手術をして、どういう結果になって、これからどうしていけばいいのかを相手に説明ができるというのは、診断や執刀が上手いのとはまた別の技術なのだと思います。

    そしてシュユさんは、その両方を高いレベルで備えているのが、リュカさんの対応で感じられて、ますますシュユさんのファンになりました。


    また、ベアトリスさんとシュユさんのやりとりもとても好きです。
    手術が無事に終わったところで謝ったのは、ベアトリスさんなりの判断だったのだろうと思いました。

    手術の前、一刻を争う状況で、自分がシュユさんを疑っていたことを謝ったり、誤解だったと告げたりして、それで時間を使ってしまうよりは、まず全力でシュユさんをサポートしよう……と。

    言葉で謝らずとも、あのときのシュユさんとベアトリスさんは仲間として通じあえていましたものね。


    そして、手術と説明が終わって一段落……というところで、あらためて言葉にして謝った……そのベアトリスさんの義理堅さがとてもすてきだと思いましたし、ベアトリスさんの謝罪に対して、丁寧に受け止めて、言葉を尽くしたシュユさんもやはり、すばらしいひとだと感じたのです。



    次回もとても楽しみです。

    ありがとうございました。

    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    最終章は手術後のシーンにしようと決めていたので、最終章はそういった感じの導入になりました。
    どのような治療を行ったのかの説明は絶対に必要だろうと思っていたので、そのシーンからの入りになり、シュユとベアトリスの和解へと続くといった流れにしてみました。
    ベアトリスは最初にシュユに突っかかっていったのもあり、嫌な印象があるキャラクターになるかもなと思っていたので、bisnonさんの感想に少しほっとしました。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。

  • 3-5への応援コメント


    今回のお話もとても楽しく読ませていただきました。

    冒頭で、前回の話での急な幼体の急変について触れられました。
    それを読んで、この手術が切開して患部を切除して閉じるというだけでなく、寄生虫を取り除かなければいけないという、生き物との対峙であることを改めて実感させられました。

    糸状虫も生き物ですから、取り除かれようとすれば暴れる……単に『取り除く』という以上の難しい手術であることが、章を追うごとに明らかにされていくのが、実際の手術でもあることでしょうし、読者としても、手術の『困難さ』、『先の見えなさ』がひしひしと感じられるすばらしい構成だと思いました。


    緊張しながら読み進め、最後の糸状虫を取り除いてからの展開が、ほんとうにもなか様がすごいと思ったのは、この後です。

    糸状虫を全て取り除いて、読者としてもほっとしたところで、まず、メディレニアさんがシュユさんの名前を叫ぶように呼ぶのですが、
    ここで、読んでいる側としても『何か』が起きたのかはわかります。その何かが、良いことではないだろうということも。

    続いて、スウォンツェさんを包む光が、白から桃色へ、そして赤へ変わっていきます。
    そしてシュユさんの感じる悪寒や焦燥感。
    ここに来て、スウォンツェさんの身に起きた『何か』が間違いなく悪いことなのだと確信できてしまいます。

    ですがまだ、具体的に何が起きたのかはわかりません。

    この畳み掛けるような描写で緊張が最大限に高まったところで告げられる『心停止だ!』の言葉。

    この言葉を見て、メディレニアさんが叫んでいた理由も、シュユさんが寒気を感じていた理由がわかるという……巧みな構成に、良い意味で緊張感を味わわせていただきました。


    次回からはいよいよ第四話ですね。
    とても楽しみです。

    ありがとうございました。

    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    この辺りの構成は、どうするかで結構悩んだところでもあります。
    容態の急変は入れるつもりだけど、一体どんな感じで……と悩み、好きな医療ドラマや医療要素があるゲームに触れたりして、このような形に落ち着きました。
    緊迫感はかなり重視したかったので、そこが上手く表現できていたのかなとbisnonさんの感想を読ませていただきながらほっとしました。
    本当に、いつも楽しみながら読んでくれて、ありがとうございます。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。

  • 3-4への応援コメント

    今回もドキドキしながら読ませていただきました。


    描写される手術の様子を、一行一行緊張しながら読ませていただきました。

    印象的だったのはベアトリスさんの奮闘です。
    主として取り組んでらっしゃるシュユさん施術が見事なのはもちろんなのですが、ベアトリスさんとのコンビがとても格好良かったです。

    シュユさんが、一番重要になる患部へのアプローチに集中できるように、ベアトリスさんや、その他の幻療士のみなさんが全力でサポートしているのが伝わってきます。

    ベアトリスさんが麻酔の指示を他の幻療士たちに出し、メスを手渡し、次に鉗子を手渡し……それらの指示と行動、動作の連携がスムーズであることがはっきりと感じられました。

    ベアトリスさんもプロであり、救うべき命に対して全身全霊で向き合うところがほんとうに凛々しく、美しかったです。


    ここまでベアトリスさんとシュユさんの息がピッタリなのも、手術の前にシュユさんが丁寧に説明して、ベアトリスさんとのコミュニケーションが培われていたからなのかなと思いました。

    ベアトリスさんが、ただシュユさんが気に入らないというだけでなく、気に入らないなりに立ちはだかり、質問し、状況を共有したからこそ、今があるのですよね。


    そして、メディレニアさんという最高のバディに加え、ベアトリスさんや他の幻療士さんのみなさんという最高の布陣があってこそ難しい手術。

    きっとシュユさんは成功させてくれるはずだと心の中で思いつつも、もしかしたら……という緊張感と緊迫感を味わうことができるもなか様の文章力に感激です。


    次回もとても楽しみです。

    ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    少し前のお返事でも触れましたが、手術はチームでやるだろうなぁ……というのが私の中にありました。
    なので、ここのシーンはシュユ一人だけではなく、ベアトリスも、他の幻療士たちも、全員でフィルアシス症と戦っている空気を出せるようにと意識していました。
    緊張感や緊迫感のある空気を味わうことができるというお言葉がとても嬉しかったです。

    また次回もお時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそありがとうございました。

  • 3-3への応援コメント

    今回も非常に興味深く読ませていただきました。

    今回のお話で改めて、手術シーンのわかりやすさと物語のおもしろさが両立していて、ほんとうに感激しました。

    スウォンツェさんの心臓内の様子を、投影石によって壁に白黒の映像として投影する場面が、読者としては初めて読むシーンであるにも関わらず、脳裏には詳細なイメージが広がりました。

    これはなぜかと思い返してみれば、作中で使われているのは魔法の道具、魔法の技術であるけれど、そこから生じる現象(体内の白黒の映像)は、現実に存在するX線の映像や超音波の映像とほぼ同じなんですよね。

    科学と魔法、それぞれ別の技術ではありますが、求める結果(この場合は体内の様子を見たい、という医師や幻療士の思い)が同じであれば、それぞれの技術によって得られる結果も似てくるのだろうなと自然と感じられました。

    あえて作中で、『これはX線画像や超音波と同じような』と書かずとも、読者が読む中で自然と『こんな感じなんだな』というのがイメージできるのは、なによりもなか様の文章のわかりやすさがあってこそですし、
    わかりやすいだけでなく、手術開始時の緊張感、緊迫感がヒシヒシと感じられて、読んでいて早くも固唾をのんでしまいました。

    投影石の映像によって、心臓内で上下に動く丸い影……はっきりと寄生虫としての姿がわからないからこそ、良い意味で不安感が高められて……シュユさん達に心の中でずっと応援をしていました。


    次回も本当に楽しみです。
    ありがとうございました。


    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    現代寄りの舞台だとX線画像や超音波など、ぱっとすぐにイメージできる表現が使えますが、ファンタジーだとそれがあるとちょっと引っかかるかな……と思い、じゃあどうしようと結構悩みました。
    最終的に魔法のようなものに置き換えようと結論を出して、投影石というアイテムの誕生に至りました。
    X線画像や超音波と同じものとしてイメージできるか不安でしたが、上手く伝わったみたいで、とてもほっとしました。

    また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら嬉しいです。
    こちらこそありがとうございました。

  • 3-2への応援コメント

    今回のお話もとても興味深く読ませていただきました。


    印象に残ったところ、そしてもなか様の文章構成がほんとうに巧みだなと思ったところは、フィルアシス症の治療方法を決定する場面です。

    単に『治療』と言った場合、薬を飲むことによる内科的な治療を想像する読者と、手術による治療の二種類を想像する読者、そしてその療法が思い浮かぶ読者……大きく分けて3つに分かれると思います。

    読者の認識がどのパターンであっても、シュユさんが他の幻療士に説明する場面で、『今回のフィルアシス症については、こういう理由で手術なのだな』と納得した上で読んでいけるのですよね。

    しかも、この説明も決して唐突なものではなく、スウォンツェさんを治療するために集まった幻療士たちに説明する……という形で書かれているため、とても自然です。

    実際、スウォンツェさんがフィルアシス症であることが判明し、リュカさんに治療許可をもら、部屋で治療の準備を始めるまでは、ベアトリスさん以外の幻療士はいませんでした。

    一緒に治療の準備をすることで他の幻療士が集まってくれたことを読者に意識させて、
    その上で、シュユさんから治療の手段についての説明を行うことで、読んでいて、はっきり他の幻療士たちがイメージの中に浮かんで来ました。
    そのおかげで、読んでいくごとにその場の一体感が増してくる感じで。

    特別な鉗子で心臓から糸状虫を取り出す手術が行えるのはシュユさんだけであっても、シュユさん一人ではできることには限界があるのでしょう。
    そうでなくては他の幻療士さんを呼んだ意味がありませんものね。

    少しでもスウォンツェさんを助けるために借りられる手は借りる、というシュユさんの、命に対する真摯な姿勢が感じられて、ますます格好いいなと思いました。



    次回を読ませていただくときもほんとうに楽しみです。
    ありがとうございました。




    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    実際の病院でも手術のときは一人だけでなく複数の医師が行うので、ここは幻療士でも同じだろうという結論に至りました。
    フィルアシス症の元になった病気も、外科的手術で治療できる獣医師さんは限られているという情報が出たので、なら余計に手術は複数人のチームでやるだろうな……と思ったからというのもあります。

    また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。

  • 3-1への応援コメント


    今回のお話もとても興味深く読ませていただきました。


    印象に残ったのはやはり、治療の準備のシーンです。
    この世界には魔法が存在し、治療対象は幻獣であり、治療するのは幻療士だからこそ、治療を行う際には治癒の魔法や魔法陣を用いるのですよね。

    寄生虫によって引き起こされる病気であるということは現代世界と同じであっても、それに対する処置の方法は魔法が存在する世界独自のものになる……という、それこそ1-2話でメディレニアさんが自らの角によって妖精犬に対して奇跡を起こしたときから変わらないものが一貫されていて、そのブレなさが、世界観を楽しむにあたってほんとうにすばらしいと思いました。

    侯爵邸の一室が、魔法石の粉末を含む白いインクで描かれた魔法陣によって、キラキラと輝いていく様子は、これから行われるのが「病気の治療・手術」であることはわかっていても、同時に「儀式」であるようにも感じられて……そういった神々しさや雰囲気を演出するのが実に巧みだなぁ……と感動しました。


    また、ベアトリスさんの対応もとても印象に残りました。
    シュユさんのことをおもしろく思っていないのを隠すことなく、その上で、シュユさんのサポートはそつなくこなすというところが、ベアトリスさんのプロ意識が感じられてすてきでした。

    ここで、シュユさんが気に食わないからと言って手術の準備を手伝わなかったり、邪魔をしたり……ということはしないところが、さすが、侯爵家に仕える幻療士だという……
    そういった、命に対して真摯なひとたちが集まっているのだということが感じられて、読んでいてとても幸せな気持ちになりました。



    次回もとても楽しみです。
    ほんとうにありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅れてしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    科学が発達した世界なら科学的な手段が発達するように、魔法が存在する世界なら魔法的な手段も治療の中に取り入れられているだろうと考えての描写でした。
    こういうファンタジーな世界ならではの治療法や手法を想像したり、現代で使われる治療器具のかわりになるのはどんな魔法だろう……と考えたりするのが結構好きなので、楽しんでいただけたのなら嬉しいです。

    また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。

  • 2-9への応援コメント

    今回もとても興味深く読ませていただきました。


    特に印象的だったのは、リュカさんの「ただし、少しでも治療に失敗してみろ。そのときは、それなりの処罰を考えさせてもらう」というセリフです。

    これまで読んできた読者にとっては、スウォンツェさんのことはもう、シュユさんに任せるしかない……と期待を持って読んでいるのですけれど(シュユさん自身、治療できるとおっしゃっているわけですし)、
    リュカさんとベアトリスさんは、シュユさんがここに来るまでにどんなことをしていたのかを直接見たわけではないのですよね。

    だから、シュユさんがこれほど説明したにも関わらず、上記のような……ともすれば脅しのように聞こえる発言をリュカさんはしてしまったのかなと思いました。


    この、読者視点と、作中の登場人物の視点の違いによって感じるもどかしさは小説につきもので……だからこそ、シュユさんを応援したい気持ち、絶対に治療に成功してほしいと願う気持ちが増してきました。

    その応援の気持ちに応えてくれるがごとく、シュユさんはリュカさんからの威圧感にも負けず、背筋を伸ばして堂々と応えました。
    その様子がほんとうにかっこよくて……口元には笑みまで浮かんでいて、シュユさんの心の強さ、美しさをしっかりと堪能させていただき、この場面を描いてくださったもなか様に感謝の気持ちでいっぱいになりました。


    (ここまで書いて思ったのですが、もしかして、リュカさんはもうすっかりシュユさんを信じていて……その上であえて脅しのようなことを言うことで、ベアトリスさんにこれ以上シュユさんの追求をさせないように配慮してくださったのだろうか……とも思いました。
    シュユさんがスウォンツェさんの治療にできるように……

    そんなことを思うくらい、リュカさんは魅力的なキャラクターで、シュユさんと互いを見つめ合うシーンは美しくて、読んでいてその状況が目に浮かびました)


    次回を読ませていただくときがとても楽しみです。

    ありがとうございました。

    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    bisnonさんの感想を読ませていただいて、リュカとシュユのそのやり取りは、そういう見方もできるんだなぁと少し驚きました。
    書いている側からは、やはりどうしても一つの視点で見た場合に固定されてしまうので……。
    なるほどなぁという気持ちになりつつ、とても嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

    また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、本当にありがとうございました。

  • 2-8への応援コメント

    今回も非常に興味深く読ませていただきました。

    今回の章では全体を通してフィルアシス症がどのような病なのかがシュユさんから語られて、それを読み進めていくときの気持ちは、まるでリュカさんやベアトリスさんの立場になったようでした。

    読んでいて、これはきっともなか様が書く文章だからだろうな……と思って感動していたところは、フィルアシス症にかかったらどうなるかという症状の説明だけでなく、
    この病が、虫魔……寄生虫によってどのように引き起こされるのかを丁寧に説明しているところです。

    寄生虫によって引き起こされる病……で終わらせるだけでなく、寄生虫が『どこからやってくるのか』というところからの説明があることで、他のケガや病気との違いがよくわかりました。


    また、ベアトリスさんが鋭く衛生環境についてシュユさんに告げたところも緊迫感があり、同時に熱心に読ませていただきました。

    フィルアシス症をもたらす寄生虫に対抗するには、なるほど、ただ清潔にすればいいというものではないのだと、フィルアシス症の厄介さがインプットされるのと同時に、
    セティフラムは侯爵家によって、(おそらく作中でも上位の)衛生的な環境が保たれているのにも関わらずフィルアシス症をもたらす寄生虫の侵入を防ぐことができなかったのだ……と読み取ることができます。

    ベアトリスさんは実際、これまで他の多くのウィルスや寄生虫の侵入を防いできたのでしょう。
    その自負が、怒りとなって言葉に現れたのだと思いました。
    具体的にどのような施策を取ってきたのかを描写せずとも、ベアトリスさんの『怒り』が、主治医のベアトリスさんや侯爵のリュカさんがこれまでにどれほどの熱意と誠意をもってセティフラムを衛生的に保ってきたのかが感じられます。

    ですが、それだけに、衛生的にするだけでは寄生虫の侵入、感染が防げないというフィルアシス症に対しては対応ができなかったのかもしれない……と思いました。
    ベアトリスさんたちも十分に優秀な人材であったからこそ、今までの常識を一旦疑うような施策は取りづらかったのかもしれない、と思わせてくれました。


    シュユさんが魅力的なのはもちろんですが、登場したばかりのときにはシュユさんを値踏みし、反発するような態度で、読者としては「ムッ」としてしまいがちなキャラクターにも自然と興味を持たせてくださる文章に感動いたしました。


    シュユさんによる一連の説明が終わり、次回はどのように立ち向かっていくかに話が写っていくのでしょうか。

    次回もとても楽しみです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    現実の世界にも、他の生き物を媒介として感染を広げる寄生虫はさまざまなものがいるんですよね。
    たとえばカエルも寄生虫を媒介することがあり、でもカエルをぱっと見ただけでは寄生虫がいるとはわからないのがこういったタイプの寄生虫の厄介なところだと個人的に思っています。
    でも、初対面の人からいきなりそのことを指摘されても素直に受け入れるのは、これまで努力を積み重ねてきた側の人間からすると難しい部分もあるよな……と考えて、ベアトリスの怒りを描写したのですが、ただ不快感を与えるだけで終わっていないのがわかり、ほっとしました。

    また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  • 2-7への応援コメント

    今回も非常に興味深く読ませていただきました。

    特に印象に残ったのは、フィルアシス症の正体についてです。

    この作品は、幻療士の立場から、病気というものにとても真摯に向き合っているのが感じられてほんとうにすてきだなと思いながら読ませていただいています。

    読み手は病気に詳しくなくても、理解しやすい文章、シュユさんの患者に対する態度や心理描写、パートナーに対しての説明のシーンなどの丁寧な描写で、いつも自然と文章に引き込まれています。

    だからこそ、今回のお話を読ませていただくことで、思わず声を上げてしまうほど驚いたのは、この世界において、それぞれの病気がどのように認識されているかということでした。

    この世界は現代日本ではないことは読み始めて最初の章ですぐにわかることです。
    それが妖精犬のロッティさんであり、幻獣の一角狼メディレニアさんであり、幻療士という職業です。
    最初にこれらの情報を明らかにしていただいたことで、読み手として、作中の世界をたっぷり読んで楽しませていただけました。

    また、シュユさんという優れた技術と高潔な精神の幻療士さんが診療を行ってくださったことで、自然とこの世界のハイレベルな医療のあり方に触れることができていました。

    だからこそ、フィルアシス症が『虫魔』と呼ばれる寄生虫によって引き起こされるものであることをシュユさんが口にした時、リュカさんが驚いたのと同じように、読んでいて驚かされました。

    傷魔や病魔といった作中世界ならではの単語を用いることで世界の解像度がますます上がり、リュカさんと一緒にシュユさんの話に引き込まれていった上で、虫魔という、第三の原因があることを知らされるという構造……

    現代日本においても、寄生虫は脅威として存在しているにも関わらずケガやウィルスなどによる病気に比べると、やや知られていない傾向にあると思います。
    それだけに、シュユさんのこの説明は、異なる世界観を堪能しつつも、現代の知識によって読んだときの衝撃が大きくなる……という、凄まじく巧みな構成で書かれた展開なのだと思いました。

    最後のシュユさんの言葉を目にしたときはもなか様の文章力のすごさに鳥肌が立ちました。


    次回を読ませていただくときもとても楽しみです。ほんとうにありがとうございました。

    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    フィルアシス症について説明するシーンは、自分でも何度も読み返しました。
    できるだけ専門用語と思われるものはわかりやすくして、どのような病気なのかイメージしやすいように……とモデルにした病気について調べながらわかりやすくなるよう頑張りました。
    また、傷魔・病魔・虫魔という考え方も、この世界でも医療が発達する前の考え方があるはずと思って採用したため、ノイズになっていないようで安心しました。

    また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそありがとうございました。

  • 2-6への応援コメント


    今回もとても興味深く読ませていただきました。

    一番印象的だったのは、病名を告げる際のシュユさんの葛藤です。

    これまで読ませていただく中で、シュユさんが清廉な倫理観と優しさや、幻療士としての素晴らしい技術を持った方だということは伝わってきていました。

    正確な分析と冷静な判断で診断し、採血し、病状を確定したところで、リュカさんに、スウォンツェさんへの病名を告げないといけない場面で……シュユさんは唇を閉ざしました。

    このとき、シュユさんの中ではフィルアシス症であることはほぼ確定していて、それでもシュユさんはもう一度考えました。悩みました。
    この葛藤している場面で、シュユさんがますます好きになりました。


    シュユさんがこのとき悩んでいたのは、スウォンツェさんがフィルアシス症であることをリュカさんに伝えて、どう言った病気であるかを説明して……それを聞いたリュカさんがショックを受けてしまうことを心配してくださっていたのかなと思いました。

    シュユさんが優しいから、葛藤したのだと思います。
    シュユさんが凄腕であるだけの幻療士であったのなら、おそらくこの葛藤はなかったのだろうなと思いました。

    シュユさんが凄腕で、かつ、やさしい幻療士であるからこそ、診断し、治療をするだけでなく、病に苦しむ患者とその家族が受ける精神的な痛みにまで考えが及んでいることが伝わってきました。

    フィルアシス症はおそろしい病です。リュカさんに言わない選択肢はなかったと思います。
    けれど、あっさりと言えることでもない。

    言い方のひとつで、患者の受けるショックが増してしまうこともあるでしょうし、リュカさんもどのように伝えるか相当迷ったのだろうということが、リュカさんのため息から感じられます。


    医師は患者に対して感情移入をするべきではないという考えもあると思いますが、患者さんのため、患者さんの家族のために深く悩み、葛藤できるシュユさんのことが、ますます大好きになりました。



    次回もとても楽しみです。

    ほんとうにありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    シュユが病の診断を終えたあと言いよどんでしまうのは、医療に関わる者としてはまだ未熟な点もある――という描写のつもりでした。
    なので、bisnonさんの感想を見て、なるほどそういう見方もできるんだなぁ……と少し驚くと同時に、シュユが大好きになったという言葉にとても嬉しくなりました。
    シュユのことを好きになってくれて、本当にありがとうございます。

    また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそありがとうございました。

  • 2-5への応援コメント


    今回もとても興味深く読ませていただきました。

    特に印象に残ったのは注射のシーンです。
    意思疎通が十分にできて、かつ、『注射』ということに慣れている人間であったとしても、いざ針を刺される瞬間は緊張します。

    それが、おそらく初めて採血をされるであろうスウォンツェさんの緊張や不安、警戒はいかばかりでしょうか。
    直接スウォンツェさんが『こう思っている』と書いていないのにも関わらず、読んで想像するだけで良い意味で心苦しくなれるのは、もなか様の繊細の文章あってこそだと思います。


    そして、採血のための注射を刺されて、スウォンツェさんがわずかに足を動かしたものの、決して暴れだすようなことがなかったところに、スウォンツェさんの深い知性とリュカさんとの強い繋がりを感じました。

    スウォンツェさんは、リュカさんがシュユさんに診察する許可を与えていることを知っていて、
    自分の主人であるリュカさんが任せている人間なのであれば……と注射の痛みや、知らない人間が身体に触れる不安に耐えてくださったのだろうと思いました。

    治療・診察する側(シュユさん)の細やかで真摯な診察と、主人と獣(スウォンツェさんとリュカさん)の絆、どちらもなければ成り立たない、とても美しい場面に、読んでいて緊張しつつ息を呑んでしまいました。


    また、採血を終えた後、シュユさんがスウォンツェさんに感謝の言葉を伝えたところもほんとうに好きな場面です。
    医師(幻療士)は患者を診察する側で、患者は基本的に診察される一方……のように感じますが、今回の話であらためてわかるように、患者の同意も必要です。
    決して一方的な上下関係なのではなく、患者さんの協力あってこそ、この検査は成立しているのだと、患者に伝えるのはもちろん、シュユさんも常に自分に言い聞かせているのかな……と感じられて、ますますシュユさんが好きになりました。


    次回もとても楽しみです。
    ありがとうございました。



    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    私が注射が苦手というのがあるのだと思いますが、注射のときって独特の緊張感があると思うんですよね。
    特に動物相手の場合、針を刺した瞬間に動物が威嚇行動に移ることもあるので、注射をするときのあの空気を醸し出せていたのなら、なんだか嬉しいです。
    シュユがますます好きになったという感想も、本当に嬉しいです。

    また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそありがとうございました。

  • 2-4への応援コメント

    今回もとても興味深く読ませていただきました。


    全体を固唾をのんで読ませていただきました。
    印象的だったのはやはり、詳細な診断の描写です。

    まず、業禍犬スウォンツェさんの描写がとても繊細でした。
    大型犬よりも更に大きいのに、横たわり、毛は艶がなくボサボサで……痛ましいその描写に、明らかに弱っているのだと伝わってきました。

    この状態のスウォンツェさんを毎日見ていないといけないリュカさんの気持ちを思うと、心が痛みました。
    主人公であるシュユさんに感情移入しているのはもちろんですが、こうして、シュユさん以外の登場人物の心情も自然と想像させてもらえる文章力がほんとうにすごいと感じました。


    また、その後のスウォンツェさんへの診断も、読んでいてまるでその場にいるかのような臨場感を与えていただきました。
    スウォンツェさんを検査していくのと同時に、リュカさんにも尋ねていく。
    読者にしても、病魔災害のことが頭にありますが、その上で、症状をひとつひとつ確認した上で、『これらの症状には覚えがある』と、メディレニアさんの母の一角狼の命を奪った病と結びつける。

    診療は大胆に、そして判断は慎重に……シュユさんの幻療士としての確かな技量と精神力を感じる描写に、ますますシュユさんのことが好きになっていきました。


    そして、最後にメイドがリュカさんに報告したところ。
    こういった緊急の状況であっても、いちメイドが主君に対して報告をすることができる……という状況が、このブルークラリス侯爵邸の風通しの良さというか、働きやすさも感じられて……短い描写の中で、世界観を広げるもなか様の構成力に感激しました。



    次回もとても楽しみです。

    ありがとうございました。


    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントありがとうございます。

    病気の診断をするときは、獣医師の方々はとても慎重になるんだろうなというのがあったので……その空気をきちんと出せていたのなら、とても嬉しいです。
    スウォンツェの様子も、今がどれだけ危険な状態なのかを伝えたくてあれこれ事前に調べたため、しっかり調べておいて正解だったなと思っています。
    医療系の作品は臨場感を出したいなぁと思っていたので、それも引き出せていたみたいで、とても嬉しいです。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。

  • 2-3への応援コメント

    今回のお話もとても楽しく読ませていただきました。

    特に印象的だったのは、シュユさんとベアトリスさんとのやりとりです。

    前回の2-2でエデンガーデン辺境伯がルミナバウム領を守る存在であり、ブルークラリス侯爵家と並ぶ実力を持つという説明があり、リュカさんはそれを聞いて、驚きこそしましたが、それに眉をひそめるようなことはしませんでした。
    シュユさんの話を丁寧に聞いて、シュユさんがここにいる意味を理解し、納得してくれました。


    一方、ベアトリスさんはシュユさんがエデンガーデンの家の者だと聞くやいなや、幻療士を貴族の道楽でやっているのではないか、そもそもほんとうに幻療士を務められているのかと疑ってかかりました。
    リュカさんとベアトリスさんでは、明らかに対応に差がありました。

    この対応の差で、リュカさんとベアトリスさんの『患者のパートナー』と『患者の主治医』という立場の違いがはっきりと感じられました。

    リュカさんが思慮深く、パートナーのことを大切に思う人であることが伝わってくるのはもちろんですが、だからと言って、ベアトリスさんが劣っているというわけではないのだということも読んでいて感じられました。


    ベアトリスさんがシュユさんのことを『道楽で幻療士をやっているのではないか』と思ったのは、作中でしっかりと語られていて、そう思うのも無理はない……と読んでいて思わせていただきました。
    読者はこれまでの全てを理解していますが、登場人物であるベアトリスさんはそうはいきませんものね。

    ブルークラリス侯爵家であるリュカさんの大切なパートナーの主治医として、素性がはっきりしない者や、シュユさんのように素性はハッキリしていてもここにきた『目的』が読み取れない相手であれば、ベアトリスさんが警戒するのも仕方のないこと……と思えて。

    また、シュユさんもベアトリスさんの言動や判断に対して、自分も逆の立場だったらそうするだろうと納得する姿を見せてくれて。


    シュユさんがスウォンツェさんを診療するにあたって、当然存在する主治医。
    その主治医とどのように交代するのかを丁寧に、しかも読んでいて自然と納得できる形で展開させてくださったもなか様の構成力に感動しつつ、堪能させていただきました。


    次回もとても楽しみです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    ベアトリスの存在は、実は最初はなかったんですよね。
    途中で侯爵家ならお抱えの医師ぐらいいるよな……とふと思って変更し、お抱えの医師からすればぽっと出の人間にいきなり治療を任せないよなぁ……と思って、このシーンが誕生しました。
    後から読み返すとちょっといらなかったかなと思うこともあったので、bisnonさんの感想がとても嬉しかったです。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。

  • 2-2への応援コメント



    今回のお話もとても楽しく読ませていただきました。

    特に印象に残ったのは、シュユさんとリュカさんの会話のシーンの中での世界観の広げ方です。

    リュカさんが、「ルミナバウムを治める家門は、ブルークラリスと同じ、神獣との絆を持つ家門。知らない方がおかしい」と話して、それを聞いたジェビネさんが驚くシーン。

    読者の視点としては、1-4話でシュユさんがルミナバウムと同じく、神獣の加護が色濃く残る地域と聞いて来た……とおっしゃっていましたし、2-1話でもブルークラリス家が星炎の神獣と縁があり、神獣の加護が残る大地を代々守り続けてきた……とういことは語られていますが、
    ジェビネさんが目を見開いて驚くことで、神獣との絆を持つということがどれほどすごいことなのかが、読んでいてはっきりと伝わってきました。

    リュカさんの技術と精神がとてもすばらしいものであることはこれまでに伝わってきていましたから、その家柄も歴史あるすばらしいものであると改めて理解することで、リュカさんの気品ある振る舞いにますます納得の気持ちが湧きました。


    また、エデンガーデン家を継ぐのは兄であるとシュユさんがおっしゃった場面もとても巧みだなあ……と感じました。
    兄がいるとさらりと伝えることで、エデンガーデン家が大切な家であるのであれば、シュユさんは家を出ていない方がいいのではないか……という疑問に自然と応える流れになるのと同時に、この世界の家督の継承方法や、家族仲が良いのか悪いのかというところまでも伝わってくるのがほんとうに見事で……


    一方、病魔災害についてはリュカさんが知らなかったことから、この世界における情報伝達の速度に限界があることも伝わってきました。
    ここでもしシュユさんが来ていなかったら、ルミナバウム領でよく似た被害があったことも知らぬまま、第二の病魔災害が起きてしまっていたのだろうな……と思えるのでした。


    会話をしているのは基本的にシュユさんとリュカさんの二人ですが、会話をすることでこの物語の世界観が頭の中に入ってくるのと同時に、登場人物が増えたところで、その人物の立ち位置が整頓される……しかも全てが自然に。

    会話だけでなく、この物語の世界までも楽しませてもらえるすばらしい回でした。


    ほんとうにありがとうございます。
    次回も楽しみです。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントありがとうございます。

    この辺りは、ちょっと説明的で退屈だったかな……と思ってしまうところだったのですが、設定的に必要だよなと感じたので入れたシーンでした。
    ややノイズだったかなーもっと早く本題に入ってもよかったかなーと後々で思っていたので、楽しみながら読んでくれたのが本当に嬉しいです。

    また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。

  • 2-1への応援コメント

    第二話、2-1もとても楽しく読ませていただきました。


    特に印象に残ったのはメディレニアさんとの関係です。

    気品と威厳を兼ね備えているからこそ、余裕がない今の状況では普段よりも威圧感が出てしまう侯爵と対面して、シュユさんが一歩引いてしまいそうになったのは無理のないことだと思います。
    病に対して臆することなく冷静に対処できるのと、鋭くピリピリとした雰囲気の人間に対処するのとではわけが違いますものね。

    思わず後ろへ下がってしまいそうになったシュユさんの足をメレディニアさんが踏んだことで、侯爵に気圧されそうだったシュユさんは落ち着きを取り戻すことができました。

    診療、治療の場面でもそうでしたが、幻獣が単に人に飼われているのではなく、人と幻獣が手を取り合っている世界であることが感じられて、すごく好きなシーンです。


    また、細かなところですが、シュユさん足が動くよりも前にメディレニアさんが足を踏んだところが、メディレニアさんがいかにシュユさんのことをちゃんと見ているのかというところが読み取れるのも好きです。

    氷のような視線の侯爵を見たとき、メディレニアさんには、相棒であるシュユさんが侯爵に気圧されてしまうだろう……と想像できたのかもしれません。
    そんな想像(予想)ができていたからこそ、絶妙なタイミングでシュユさんの足を踏めたのだろうなって。

    メディレニアさんのアシストがなければ最後のシュユさんの名乗りもあんんあに美しく、優雅にはできなかったのかもしれなくて……これから展開していくであろう、侯爵とのやりとり流れも変わっていたのかもしれないと思えました。


    シュユさんとメディレニアさんの深い結びつきを、ストーリーの中で自然と感じさせてくださるもなかさまの文章構成に感動させていただきました……次回もとても楽しみです!


    ほんとうにありがとうございました。

    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    人間と魔獣や、人間と動物みたいなコンビのとき、パートナーとの絆がふとしたときに感じられるというのが大好きで……。
    なので、侯爵との初対面のシーンで、シュユとメディレニアの絆を感じていただけたのが本当に嬉しいです!

    また次回もお時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  • 1-5への応援コメント

    今回もとても興味深く読ませていただきました。


    特に印象的だったのは、この第一話全体を通じての、視点の移り変わりの巧みさです。

    読者の立場からすると、1-1、1-2話で妖精犬のロッティを治療してシュユさんのすばらしい技術を間近で見せていただいたところで、

    1-3では『幻療士を街でよく見かける気がする』と、シュユさん以外の幻療士の存在が示唆され、1-4ではシュユさんの生まれ育ったルミナバウム領で病魔災害と呼ばれる感染症があったことが知らされます。
    シュユさんのような凄腕の幻療士を始め、複数の幻療士がいたとしても、この世界において感染症が広がることは恐ろしい脅威なのだと伝わってきます。

    視点が外へ、そして過去へと広がったところで、1-5ではジェビネさんとの会話が始まって、視点がぎゅっと近くに寄ります。

    この視点の誘導が、読んでいてほんとうにスムーズで……物語を味わいながら、自然とこの世界の状況に馴染んでいけるのですよね。
    まだ第一話なのにこの世界の過去にまで触れることができて、それでも、読んでいる側としては視点がブレている感じはまったくしないという……

    視点が変わることでのメリハリと、視点がブレないことでの没入感を両立している、もなか様の構成力のすばらしさに感動しておりました。


    また、ジェビネさんとの会話のシーンで好きなところは他にもあって。
    『互いの顔が見えるよう向かい合って座っているため、年頃の男女の逢瀬にも見える。』
    この描写が一文入ることで、読んでいる側としては一瞬で、やわらかな長髪の美しく可憐な幻療士と、褐色の肌を持つエキゾチックな雰囲気の騎士が互いの瞳を見つめている場面が想像できてしまうのですよね。

    一瞬どきりとさせられてから、その直後の、『だが、二人の顔は真剣そのもので、逢瀬で愛を語らう男女が見せるものとは程遠い。その表情が逢瀬ではなく別の何かなのだと物語っていた。』という描写で、二人がそれぞれの道のプロフェッショナルであること、
    互いに見つめ合いながらも、互いが見ているのは同じもの……町を襲っている病だということがひしひしと伝わってきて……

    それだけに、この章の最後に、依頼を受けてもらえるとわかったときのジェビネさんの安堵と、シュユさんの笑みがとても印象的に感じられるのだと思いました。
    お互いがお互いの使命を尊重し、『主君のパートナーを救いたい』という意志が通じ合ったからこその表情なんだなあ……と。
    それを描いて、読ませてくださったもなか様に感謝の気持ちでいっぱいです。



    次回からの第二話もとても

    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    ここまでの話の流れと構成に関するお褒めの言葉、本当にありがとうございます。
    視点が飛び飛びになりすぎていないかなー、構成も頭に入りやすくなっているかなと書いている間、だんだんと心配になってくることがよくあるので……。
    ジェビネとシュユ、対話する二人の空気もぱっと見た印象と実際のものが異なるんだなというのを感じていただけたみたいで嬉しいです。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。

  • 1-4への応援コメント

    今回の1-4もとても興味深く読ませていただきました。


    印象的だったのは、シュユさんの食事のシーンです。
    オーブンサンドを上品に召し上がるシュユさんの描写がとても美しくて、『ホワイトレディ』と呼ばれる理由の一端はここにもあるのではないかと思えるほどでした。
    そんなシュユさんですから、騎士が膝をついてシュユさんの前に控えたときもとても絵になるなぁ……と感激してしまいました。

    また、シュユさんの食事をしているときの姿勢もですが、味や食感の描写もすばらしくて、読んでいるとパンの香ばしさや甘み、レタスやベーコンの歯ごたえ、旨味が伝わってきました。


    ここでシュユさんがおいしそうに食べるシーンが入ってくることで、健康であることのありがたさが自然と伝わってきました。
    1-1や1-2で妖精犬は病気(肺炎)になっていましたが、その状態では満足に食事をすることもできないだろうというのは読んでいて伝わってきました。

    この世界では一人一匹幻獣を連れているというほど、多くの人々が幻獣と共に暮らしているという説明があり、マスターも妖精犬の処置が終わったことを自分の家族であるように喜んでいて……
    そんな世界だからこそ、人間も、妖精犬も、健康だからこそ、好きなものを気兼ねなく食べることができるのだ……ということが感じられて、

    病気を治療しなければいけないのはもちろんですが、その理由のひとつとして、健康なときは当たり前にできる食事が、病んでいるときはできない……ということが、読んでいて自然に伝わってきて、ひとつひとつのシーンを丁寧に描かれているもなか様ならではの構成だ……と改めて感動しました。


    次回のお話もとても楽しみです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    シュユも旅をしている身ではありますが辺境伯令嬢という身分なので、オープンサンドも丁寧かつ綺麗に食べるだろうな……と思い、ナイフとフォークで食べさせることにしました。
    食事のシーンも、印象に強く残ったんだなぁというのがわかり、嬉しかったです。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。

  • 1-3への応援コメント

    今回のお話もとても楽しく読ませていただきました。


    前回の最後に告げられた『例の病』が少しずつわかってきて……
    でも、ここでわかるのが『犬のような姿をした幻獣だけがかかる』『かかったら必ず命を落とす』だけなのが緊張感を高めていて上手いなぁ……と感服しながらもドキドキしておりました。


    もなか様の構成が巧みだと感じたのはもうひとつあって、幻獣の病や怪我を治療できる幻療士であるシュユさんにとって、この『犬のような姿の幻獣だけがかかる病』は、他人事ではないということなんですよね。
    シュユさん本人も言っていますが、シュユさんの相棒であるメディレニアさんもこの病気に罹る可能性があるわけで。

    もちろん、仮にシュユさんの相棒が犬のような幻獣でなかったとしても、シュユさんはこの病気に関心を持つことは変わらなかったと思います。
    領主に依頼を受けたわけではないのに、自分から幻獣の病に興味・関心を持つことは、シュユさんが優れた幻療士の証だと感じさせてくれます。

    その上で、相棒のメディレニアさんも病にかかるかもしれないという可能性が、読者にシュユさんへの共感や感情移入の気持ちを持たせてくださっていて……

    シュユさんが物語上の『お客様』でなく『当事者』であるための自然な展開……
    1-1話から1-3話になっていく中で、話にどんどん引き込まれていく流れがしっかりと形作られているんだなぁ……と感動です。



    次回を読ませていただく時もほんとうに楽しみです。

    ありがとうございました。

    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    特定の病が流行ったとき、まず民間の耳に届くのは『症状』なんじゃないかって、ここ最近のご時世で思ったんですよね。
    病気について誰かに説明しようと思ったとき、やはり症状を先に説明したほうが伝わりやすいですし……。
    なので、『例の病』についても、まずは記憶に残りやすそうな情報から明らかにしていく流れにしてみました。
    読んでいて話に入り込みやすい流れになっているのなら、なんだか嬉しいです。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  • 1-2への応援コメント


    1-2のお話も、とても興味深く、楽しく読ませていただきました。

    冒頭で描写されているシュユさんの外見の情報がとてもわかりやすくて、読んでいると、脳裏にぱっとシュユさんの姿、街の様子が広がる感じがとても心地よかったです。

    そして、その後に続くシュユさんの経歴。
    1-1の最後で呼ばれたホワイトレディと言う二つ名。
    単に経歴だけを読むのではなく、1-1でその鮮やかな手腕を読ませてもらってからのこの経歴……二つ名を名付けられた理由が自然と納得できて、構成の巧みさに感激しつつ、読み進めさせていただきました。
    (一体、噂を流したのは誰かしら、なんて思いつつ)


    また、メディレニアさんの存在もとても印象に残りました。
    シュユさんはとてもすぐれた幻療士ですが、もしシュユさんだけだったら、妖精犬さんにあそこまでスムーズに薬を飲ませることはできませんでした。
    メディレニアさんという特殊な力を持つ存在がいてくれることのありがたさと、二人の息の合った施術によって、この世界では人間と幻獣が手を取り合って生きていることが自然と伝わってきて、世界観の伝え方がほんとうに上手い……


    妖精犬への施術を終え、ほっと一息ついたところで目に入ってくる『例の病』という言葉。
    次回から新たな展開でしょうか。どんな病かはまだわかりませんが、シュユさんとメディレニアさん……この『ふたり』なら、どんな病にも立ち向かっていけそうだと自然と思えていることに気づいて、この作品にすっかり魅了されていることを自覚させてもらいました。


    次回を読むのが待ち遠しいです。ありがとうございました。

    作者からの返信

    今回もコメントありがとうございます。

    シュユの外見の描写や素性が説明的すぎたかな……と執筆しているときに思っていましたが、あまり説明的になりすぎていなかったようで少しほっとしました。
    導入部分は毎回悩む、やや苦手なところでもあるので、いろんな情報がすっと入ってきたというのが本当に嬉しいです。
    この作品にすっかり魅了されているという言葉もすごく嬉しいです。

    ここまでが導入なので、次回からはどんな展開になっていくのか、楽しみにしていただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  • 1-1への応援コメント

    ホワイトレディの治療術の第一話、とても楽しく読ませていただきました。


    シュユさんが妖精犬の症状を確認するシーンがとても詳細に描かれていて、小説とわかっていても、思わず手に汗を握る思いで緊張しながら読み進めていました。

    読んでいる私がこんなに緊張するのだから、作中のマスターの緊張はいかほどだったのだろうと……


    また、触診を終えたあと、持病がなかかったかとか、誤嚥していなかなど、てきぱきと尋ねるところも好きです。
    こういうときは、お医者さん(シュユさんは幻療士さんんですが)から少し事務的に尋ねられたり確認された方が、冷静になれたりするものですものね。

    序盤で、宿のことも滞在中どう過ごすかも忘れて、獣の元にかけつけるシュユさんの様子から、シュユさんが患者さんやその家族をあたたかく気遣うやさしい心の持ち主であることはちゃんと描かれていて。
    (しかもそのときのシュユさんは、獣の前足がちらりと見えただけで、立ち上がっているんですよね)

    その上で、実際に妖精犬を診るときは、聞くべきことをちゃんと聞いて、自分が冷静に対処できることを相手に理解させて……

    その上で、自らが『ホワイトレディ』と呼ばれている幻療士であることも否定しない。
    ここで変に謙遜したりせず、ちゃんと自分の情報をちゃんと伝えることで、更にマスターさんを安心させることができたのかなと思いました。


    現代の地球ではない、別の世界のことではあっても、『医に携わるもの』の描写がほんとうに上手いというか、描写に説得力があって……先が気になる、すばらしい1話でした。

    次回もとても楽しみです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が大変遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    本作品の冒頭は、構想段階ではいくつかのパターンがありました。
    どれにするか本当に悩んだ結果、医療要素が含まれているからそのシーンを含んでいたほうがいいだろうと結論を出して、こういったパターンを選択してみました。
    どうやったら緊迫感が出るだろうかと考えながら書いていたので、その雰囲気が出ていたのかなと少しほっとしています。

    個人的な感情から誕生した中編なのですが、また次回もお時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  • 1-5への応援コメント

    アリステリアと申します。

    異世界の獣医ですね。
    獣の奏者と似た感じがしますが、世界観が全く異なりますね。
    幻獣が人々と共に暮らしている部分にワクワク感を覚えます。

    主人公のシュユにも背景が何かあるようですし、この先も楽しみに読みたいと思います。

    頑張ってください!

    作者からの返信

    嬉しいコメントありがとうございます。

    自分が興味のあるお仕事や少し知識があるものを題材にしたいなと考え、異世界の獣医を題材として選んでみました。
    獣の奏者は見たことがないので、あの作品も似たような題材の作品なのかなと少し驚いています。

    大部分はすでに執筆できている状態なので、手直ししながら公開していく予定です。
    またお時間があるときにでも、続きをお楽しみいただけたら幸いです。

    応援のお言葉、本当にありがとうございました。
    頑張ります。