第12話 昇陽登心

早く起きた暗い朝


冷たい空気を胸いっぱいに吸い込みながら

見上げた向こうに

山並みが太陽を背に光り出していた


太陽が昇る前に出発しようと

すり減ったタイヤを心配し

スロットルを回せば

静かにエンジンの鼓動が震え出す


走り出せば太陽が覗き始め

背中いっぱいに浴びる光を感じながら

昇る太陽と同じように

高く高く登ろうとする心だけが

地上を離れていく

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