第6話 雨降る夜

雨が降る夜に月影は見えず

闇に紛れて黒い雲が微かに光る


月は其処にあった


夜来の雨に落ちた花弁は

雨上がりの朝の景色


芳しさは既に消え


それでも新しい朝の光が

ポーチュラカの花を咲かせ

夕刻までの命の尊厳は

一日草の花の宿命


冷たい風に吹かれて

見上げた空の白の中

微かに光る日差しに目を瞑る

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