秋の食べ物、あれこれ

 秋も深まってきました。

 この季節は、果物も野菜もおいしい季節ですね。

 芋栗なんきん、ブドウ、梨、柿、キノコ……。

 並みいる強者つわものぞろいの食べ物たちに、食欲も大いに盛り上がります。


 今年の秋は、ブドウと梨と柿をたくさん食べられました。

 果物は決して手に取りやすい値段ではないのですが、好物です。なんとかお買い得なものを探し出して口に運べた時には、とても嬉しく美味しい気持ちになるものです。

 デリケートな果物たちを、台風などの自然災害に負けずに食卓に届けてくれる農家の方々には、頭が下がる思いです。


 この季節がくると、昔、祖父母の家にあった渋柿の木のことを思い出します。

 秋の短い日の中で、柿の実の収穫はもちろんのこと、渋ぬきをするために、焼酎をつけてビニール袋にいれる作業も手伝いました。

 子どもの頃の私には仕組みも何もよく分からない不思議な作業でしたが、しばらく時が経ってから渋が抜けて甘くなった柿を食べる時の美味しさは、こたえられないものでした。

 朱色の柿の実と広い座敷に射す夕日は、私にとって秋を象徴する風景のひとつです。


 家の裏にあった栗の木も懐かしい。イガグリを足で踏んづけて収穫するのは、子ども心に楽しい遊びでした。

 幼稚園の頃には、この季節ローカルニュースなどで恒例の芋掘りもしました。畑に実った大きなさつまいもを掘り返して家に持ち帰り、家族に料理してもらってみんなで食べました。

 そうそう、小学生時代には稲刈りも体験しました。風に揺れる黄金の稲穂いなほの波は素晴らしい景色です。


 思い出から振り返ってみるに、私にとって秋という季節は、収穫の喜びを一身に感じられる季節なのかもしれません。これまでの思い出からも思い起こしながら、恵みを味わう。

 収穫感謝の秋、というわけです。


 さて、天高く馬肥ゆる秋……私のダイエットの結果は今のところ言うに及ばす、という感じです。

 これだから秋にはかないませんね。

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