俺の夏休み 8月2日 次の日に来るって…早いよ…そして次の日も狂ってる…やばいよ

 今日はヤクザの叔父の事務所に行って相談していた…世の中の抗えない格差について…

 持たざるものはどうすれば良いのか…

 俺の敵とは…自分自身とは…


 俺はいつもの様に部屋を暗くしたまま部屋に戻る…考えれば考えるほど眠気が覚めてくる。参ったなぁ…


目をつぶったり開いたりとを繰り返していたらあるタイミングから俺の顔の真ん前5センチぐらいに白銀のマスクがあった…目の部分は透き通る石のような素材で奥の目はこちらをじっと見ている…イクエちゃんの目だよ…怖えぇ…俺はまた目を瞑った。


「ネタキュン…シュキ…ネタフリシテルノ?…カワイイ…ダッタラ…チュ~シチャオウカナ?マスクトルカラ…ネタフリ…シテテネ♥」


 相変わらずマスクの効果なのか声が小さく聞き取りづらい…何やら後ろの留め具の様なものを外すパチンパチンという音が聞こえる。感覚的に多分四つん這いで俺の上にいるな…


「ヨイショ…サテ…ソレデハ…クチビルヲ…ッンハッ!?ガッ!?」


 ん?なんかちょっとデカい音聞こえたけど…薄目で見ると…白銀マスクの女…アナテラスだっけ?昨日も来た女がまた居た。

 だが首周りに凄まじく力の入った筋肉が浮き上がっている腕が巻きついていて、アナテラスの顔の横あたりにタツの顔があった。タツは青筋を立ててブチギレていた。

 アナテラスをチョークスリーパーしている。


 カラーン、コンッ


 イテッ、口部分のマスクが落ちてきたが…マスクの下は口が全開で開ききってヨダレと舌が出ている…俺の顔にヨダレが…汚え…それにしても窒息寸前の人の口だ…何だこれ…そしてタツは首を絞めたままアナテラスの顔を、俺の顔から離していく…アナテラスは四つん這いだったのが膝立ちになり、身体が弓なりに反っていく…

 手は無防備に首を絞められたのか、必死に腕と首の間に入れようとタツの腕を掴んでいるが効果を成していない。


 腕を入れるのを諦めたのか、ゆっくり俺のほっぺたを撫でた。その瞬間、ギュアッとタツの腕が首の骨を折らんばかりの勢いでねじ切る様に力を入れた。

 俺の腹の上でアナテラスは思いっきり少を漏らした…他所でやれ…他所でやって…くれ…


「貴様、今私の男に手を出したな?物理的に…眼鏡…万死に値する」


―――ネタキュン、危なかった。ネタキュンに触れた事でギリギリ精神を逃がせたわ…ありがとう―――


 何もギリギリじゃないじゃん。本体とやら死にかけてるよ。後、俺のお腹の上で漏らすのやめてよ…


―――今日は自己紹介をしに来たの―――


 話聞かないし、結構余裕だね…本体とやらは漏らしてすごい勢いて痙攣してるけども…


―――強さについては割愛するね、関係無いからね、恋愛に…だからまず私の趣味を―――


 いや、俺は男だから強さの方が良いな…てゆーかこの状態でどう恋愛について考えろと?


―――強さ?そうね、私は単体だったら世界で五本の指に入る…かな?勿論、藤原悪魔さんを除いてね―――


 へぇー凄い強いね…世界で5人って想像もつかないや(棒)何故そんな人が俺の部屋に夜な夜なやってくるのかな?


―――それはね、運命の人だから…私、あの高校が初めての学校なの。ネタキュンは初めての友達…学友なの。藤原悪魔に蹂躙された時…死よりも酷い拷問を受けた時、頭に浮かんだのがネタキュンだったの。誰に蹂躙されたら幸せか、脳が導き出したのがネタキュン。そうこれが恋っ!?何を!?―――


「テメー眼鏡…なんかやってるなぁ!?お前等変な事できるみてぇだからな。まず口にタバスコ突っ込んでやる。本当はネコ毒を仕込みたい所だがあの猫走って逃げたからな。今日は家からタバスコ持ってきた。口に十分入れてと…その後はケツだぁ!」


―――待ちなさい!私に痛覚以外の感覚を与えると戻ってしまうの!ネタキュン!止めて!お願い!戻るとタバスコ、窒息、頸椎損傷のダメージを全部食らうの!嫌!助けて―――


 最後の頸椎損傷が一番ヤバい気がするが大丈夫なの?そもそもイクエちゃんって分かるネタバレしまくってたけど…


―――1日で大体の傷が治るわ、昨日も酷いことになったけど今日来たでしょ?だこら明日も…っ…て尻が!?感覚が!?ヤバい!たしゅけて!ネタキュキュキュっ!!!―――


 そう言いながら脳に響く声は消え、俺にピースをしながらアナテラスこと、イクエちゃんは首を絞められながらタツに外に連れて行かれた。

 まぁイクエちゃん部分は無視されたけども。

 いや、助けるも何も、もう遅いっしょ…明日も来るのか…ウーン、この事タツに言うと警備とか訳分からない理由でタツもくるからなぁ…俺、考え事したい…というか一人に成りたいんだけど…


 


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