【綾ねえとラブラブ登校してみた。】

朝...。

おはようおっぱい。


「幸せ者め、うりうり。」


昨日は大変だった、綾ねえには手加減てものがない...おかげで身体中がヒリヒリする。


「愛の痛みね。」

「暴力では?」

「ご褒美でしょ?」

「いや、もっと甘々がいいです。」

「浮気しなかったらね。」


浮気してる訳じゃ無いんだけどなあ...。

そんなこんなで今日も学校へ向かう、その途中で綾ねえが俺にお願いをしてきた。


「春くん、今日の部活はアクション部にしてくれないかな?」

「え、どうして?」

「ちょっと気掛かりな事があって。」


気掛かりな事、何だろう?

宇沙ちゃんの事かな?


「残念、別の子でした。」

「部長?」

「ぶぶー、春くんセンスないね...。」

「ええ......。」


あと誰がいたっけ、千賀さんと...。


「まっ、とにかくお願いね。」

「あんまり行きたくはないけど、綾ねえの頼みなら...。」

「なんか春くん今日はやたらデレデレだねえ、惚れ直した?」


......先日の授業があってから。

綾ねえの事をやたら意識しちゃってるなんて口が裂けても言えない。


「俺が綾ねえの事...。」

「なあに?」

「知ってるくせに。」

「なになにー、直接聞きたいな?」


俺は綾ねえの顔をじっと見る。

綾ねえも俺をじっと見つめながら、ニコッと笑った。


くそ、可愛い。


俺は思わず目線を逸らす。

こんなの、好きにならない理由がない。

無理だ...。


「朝から何をイチャついてるのだ。」

「あら、莉紗ちゃんおはよ。」

「要件は以上なのだ。」


そう言って莉紗ちゃんはスタスタと歩いて行ってしまった。


綾ねえが読心術を使って何かを聞いたのだろう。

...というか莉紗ちゃんが現れたという事は、宝月の件に何か進展があったのだろうか。


(羽田村と荒川の2人もそちらへ回そう...。)


所長もそう言ってたし。

もしかしてまた俺、暗殺される?


「される訳ないでしょ。」

「......。」


綾ねえは俺の手を握る。

何かあっても私が守るから...その時だけは、心が読めた気がした。


その後、教室に入ると宇沙ちゃんがぴょこぴょことこちらへ歩いてきた。


「おはようのぎゅー。」

「おはよう、宇沙ちゃん。」


少し慣れた...かな?

同級生だけど、まるで年下の女の子とじゃれ合っている感覚だ。


「宇沙ちゃん、今日はまたアクション部に参加してもいいかな?」

「ふぇ...やったー!」


宇沙ちゃんは嬉しそうにぴょんぴょん跳ねたあと、俺に抱きつき胸に顔をすりすりしている。


「じゃあ授業が終わったらよろしくね。」

「うん、一緒にいこ。」


自分の席に着くと、徳川さんがこちらをじっと見ている。


「あ、おはよう。」

「おはよ、昨日は楽しかった?」

「もう罰ゲームは嫌です...。」

「あらー...残念。」


暫くして嵐鬼先生が教室に入ってくる。

昨日の続きでパソコンには【残弾使用の問題】が写し出された。


①敵は3人

②残弾は2発

③敵は全員銃を持っている

④敵は半径10メートル以内に固まっている

⑤1対1の戦闘能力は自分の方が高い

⑥2対1の戦闘能力は相手の方が高い

⑦市街地戦

⑧敵は全て殺さなければならない


上の条件を元に、暗殺手順を答えよ。


俺はその解答を暫く考えた後、パソコンへ入力する...。


最初の2発で2人を倒して銃を奪い、3人目を倒す。

解答を送信する。


すると暫くして嵐鬼先生から名指しされた。


「金丸...答えはNOだ、残念だったな。」

「そうですか......。」

「2対1の戦闘能力は相手の方が強い...つまり1人を射殺した時点で2対1となる、しかも銃声で場所がバレてしまう...。」


うーん...そうか......。


「そうだな...白星、お前ならどうする?」

「はい、私ならミサイルを2発撃ち込みます。」


ええー...。


「うむ、正解だ!」


ええー...。


「問題には残弾2発としか書いてない、だから核兵器でもロケットランチャーでも2発は2発!」

「その通りだ。」


えー......。


「なら徳川、お前ならどうする?」

「はい...私なら敵が気を抜くまで追跡して寝込みでも襲います...その状況なら悪くても1対1の状況を作れるし、残弾が無くても1対1なら勝てるのだから銃で倒すのは2人で問題ないです、なので眠っていた3人目は銃を使わず倒します。...敵は常に半径10メートル以内にいるのだから逃げられて殺せなかった...というのはないでしょうし、時間については言及されてませんから。」


なんか...正解な気がする。


「うむ、この問題は与えられた条件の中でシュミレーションをする問題だ...後は市街地というフィールドを活かした発想なんかもあると完璧だな。」


......なるほど、常人には理解できない。

みんなすっごい。

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