4. 決意


窓の外には青空が広がっていた

下を見れば冷たいコンクリート

たった今そこに飛び込もうとしていた


『何してるの』


後ろから誰かの声がした

聞き覚えのある声

振り向くと、涙を流しこちらを見つめる友人の姿があった


『いかないで』


そう引き止めてくれる彼女の目は綺麗で

まだ闇を知らず 光を宿していた

その目と言葉に私は心を動かされ

窓のそばを離れた


あなたが 引き止めてくれたから

 

あなたが 真っ直ぐな目で見つめてくれたから

 

あなたが 明るさを教えてくれたから


今も生きることが出来ている


数年後

あの時と同じ場所

窓の外に広がる世界はあの時と全く同じ


けれど


窓のそばに立っているのは


あのとき引き止めてくれた彼女だった


『ごめんね』


その言葉を残し彼女は

窓の外へ飛び立とうとしていた


私は彼女に


あの時と同じ言葉を


『いかないで』


彼女は涙を流していた

その目に光は無い

闇を知ってしまった

 

けれど


『あなたがいたから私が生きられた』


今度は私が

 

あなたを







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