第14話 ペロル、兵長より依頼を受ける

ペロルは兵士長を思われる人物へ、オークの出現場所、数、攻撃方法などを事細かに説明した。


「数からしてリーダーはオークアーチャーだろう。しかし、場所が厄介だな。兵隊を出そうにも一日がかりで移動しなければならん。しかも大勢で行けば森へ逃げてしまうだろう」


「この件は兵士が対応してくれるのですか?一応、東村の村長に冒険者ギルドに当てた依頼金を貰っていますが」


「この数は冒険者には手に負えないだろう。それに街道の魔物は兵士たちで間引くことになっている。上位種の出現など数年ぶりだがな」


「なら、オークの討伐は任せてしまっていいのですね?」


「ああ、構わない。ただ五日はかかると見ていてくれ。それに君には依頼したいことがある。オーク関連ではないから安心してくれ」


「私にできることであれば」


「実は街の周辺の地図を作成してほしいのだ。もちろん無理をする必要はない。安全を確認できている範囲だけで構わないし、自分のペースで進めてもらって構わない。しかし進める範囲は北の方角からにしてくれ」


「オランド聖王国と何かあるとお考えですか?」


「いいや。念のためだ。それと君の地図は軍の機密に当たるほど正確なものだ。他の人には流れないように注意してくれ。地図ができるたびにここに持ち込んでくれれば報酬を支払おう。これは街中の地図を書いてくれた報酬だ。受け取ってくれ」


ペロルが受け取ったのは金貨五枚、金貨は銀貨の十倍の価値がある。小躍りしそうな気持を抑え受け取ると、次はスリにあわないかが心配になってしまった。


話しが終わり外に出たペロルは、何か安全に荷物の管理ができるスキルを探した。目についたのはストレージというスキル。スキルポイントに多少の余裕があるペロルはストレージを取得した。


ストレージはMP×十センチの空間を保持する能力だった。ペロルのMPは六。誰にも手が出せない財布を手に入れることができた。後々はMPにステータスポイントを振って物を運んでもいいとも考えた。


まずはお金をストレージにしまい、ペロルが運んできた子どもの様子を見に行くことにした。


治療院へたどり着くと、先生が受付をしていた。ペロルを見つけると先生は近づいて話しかけてきた。


「君が連れてきた子どもの容態だけれど安定しているよ。今はまだ眠っているようだけれど見に行くかい?」


「いいえ。眠っているのであればそのままにしておきましょう。それで、東村への通路なのですが解決するまでに五日は欲しいと言われました。それまでここに置いていただけないでしょうか?」


「それは構わないが、銀貨三枚は頂くよ。すまないが慈善事業ではないのでね」


ペロルは銀貨三枚を手渡して、子どものことをお願いした。

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