第5話

「なんかさっきまで夢を見てたんじゃないかって気分」


当然スキルが使えるようになってダンジョンが現れていつの間にか俺が映った動画が全国区で放送されてたり…

なんかもう色々考えるのが面倒になってご飯食べてお風呂入って寝たんだけど…


昨日は全部俺の痛い夢なんじゃないかな?と思ってしまうぐらい非現実的な1日だった。

今もステータスって念じれば頭の中に昨日確認したステータスが浮かんで来る。

昨日の出来事は夢ではなくリアルの出来事だってことを裏付ける。


「とりあえず朝ごはん食べよう。あ〜学校は臨時休校か」


スマホで学校のクラス全体のチャットを確認すると今までにない緊急事態のため1ヶ月間休校になるらしい。

1ヶ月は長くないか?って思うけど。

こうなったら仕方ないのか…


今日は休校になるだろうなとは予想していたけど、想像以上に休校の期間が長いので何をしよう。

河村さんから連絡が来るまでは家で大人しくしておくべきか。

後は母が買い物に行く時はついて行くようにしよう。

どこでテロに巻き込まれるかわかったもんじゃないからな。


「おはよう母さん」


「おはよう映司。朝ごはんできてるから冷める前に食べてね。それと学校はどうなった?」


今日の朝ごはんはコーンスープにベーコンエッグトーストに生野菜のサラダ。


「食べただけでなんか元気がでてきた気がする。これが主婦スキルの力?」


なんか昨日、料理に追加効果がつくとか言ってたし。

その追加効果のおかげで体の調子が良くなったっぽい。


「そうそう学校は今日から1ヶ月休校だって。休校中に自己学習できるようにテキストの配布を考えているから用意が出来たらその日だけ学校に集まってもらう予定だって」


「こんなことになっちゃったらそうなっても仕方ないのかもね。1ヶ月もクラスメイトに会えないなんて寂しいんじゃない?」


陰キャなので仲のいい友達なんて両手で数えられるレベルなので別に寂しいとは思わない。


寧ろうるさい陽キャどもに絡まれることもないので嬉しいぐらいだ。


「まぁ、そうだね。でもスマホで連絡取れるしそこまでかな」


母に対してそんなこと言う訳にはいかないので当たり障りのない返答をしておく。


「そんなこと言って、本当は「陽キャと顔を合わせずに済むとか寧ろ爆アド」とか思ってるでしょ?」


確かに母の言う通りだけど、俺はそこまでオタクっぽい喋り方はしない。


「まぁね。あっ河村さんから電話だ。ごめん母さん警察から電話かかってきた。朝ごはんご馳走様」


そう言って自分の部屋に戻ってから電話に出る。


「ごめんなさい河村さん。出るの遅くなっちゃいました」


「大丈夫ですよ映司くん。早速なんだけど今日時間あるかな?昨日の契約の話と一緒にダンジョンに行かないかと言うお誘いのために電話をしたんだけど、どうかな?」



昨日今日で俺とどのような契約を結ぶか用意してきたか…それのダンジョンか。


朝のニュースドームでは自衛隊が入口を封鎖中に突入。魔物脅威度の測定、罠の有無など確認中でおよそ2ヶ月後を目処に迷宮省から発行される冒険者ライセンスを取得した一般人にも解放予定って言ってたけど。


ほんとに日本かよ!?ってレベルの迅速さでびっくりしながらニュースを見ていた。

実際は八咫鏡のおかげで事前に準備できてたからだろうけど。

それでも今までの日本政府なら準備する期間があったとしてもその準備期間を無駄にするってイメージだったけど。

政治家たちもそれほど今回は対応に失敗すると日本が滅亡するって危機感を持ってるってことなのかもね。


「学校も休校なので1日空いてますよ。なので直接あって話を聞きたいんですけど」


「わかった。そしたら映司くんの家まで迎えに行こう。黒塗りのバンで滅茶苦茶怪しいけど警戒しないでくれ」


それ先に聞いてなかっためっちゃ警戒してたかもと思いながら電話をきった。


このことを母に伝えて出かける準備しないと。


「って言う訳で出かけることになった。母さんは1人で大丈夫?」


俺がいない間に家が襲われるとかシャレになんない。

昨日モザイクがかかってたとしても龍に変身するシーンと龍から人に戻るシーンが全国区で流れてしまった。この世の中個人情報はもうバレてるだろうし、この家が狙われる可能性がゼロとは言いきれない。


「大丈夫よ。主婦スキルには家妖精召喚って能力もあって。家事だったり、家を住んでいる人ごと守ることに特化した妖精の召喚もできるの。だから家に居るお母さんは安全だから。家の留守を守るのが主婦の役目ってやつね!」


ヴィクトリアン風のメイド服を着た半透明の女性が母さんの隣に現れてお辞儀する。

あれが家妖精か…

主婦スキルやばすぎだろう……

もう何でもありじゃん。


まぁそのおかげである程度安心して出かけられるんだけど。

母さんに説明も終わったし後は必要なものをリュックに詰めるか。


と言っても何が必要になるんだあれもこれも持っていくと動きを阻害することになるだろうし。最低限の装備は河村さんが貸してくれるだろうからヘルメットとか自分で持っていく意味はないだろう。


とりあえず龍化すると服がダメになるので代わりの服を持っていくことにしよう。





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読んで頂きありがとうございます。






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