クラス内交流(微ざまぁ)

 りっちゃん先生が教室から出た直後、案の定…ドワーフの酒蔵君と宮本さんも彼女に続いて教室を出る。少し遅れて、山田君も少し頬を赤くながら、まるで、よーちゃんから逃げる様に教室を出て行った。




 しかし、それ以外のクラスメイトが僕の席の四方八方を取り囲んだのは予想外だった。





「えーと…まずはみんなの要件を聞こうかな?」

「「一緒に帰る(よー!!)」」

 僕の声の直後に大きな二つの声が重なった。声の正体は、勿論…よーちゃんと玲緒奈である。



「お、俺はぁ…そ、そのぉ…えーと…そうだ、お前の家の場所を教えて欲しくてよぉ…そ、そのなぁ…?」

 ——僕に頬を叩かれた後、彼の身に何があったの…? 水道で洗ったのか…決めていたオールバックも今はやめて、本物の如月健斗の容姿に近くなっている…。




 初めからそうしておけば、玲緒奈が同性愛に目覚めることも傷つく事もなかった。

 ——実は、心の奥底で百合も悪くないと思ってる本心に鍵をつけておこう。

『主は…最初からそっちのじゃったぞ』

 ——は無視しておこう




 「え?嫌だけど?」





 僕が返事すると…彼はすぐ側にある床へ両足を畳んだかと思えば、両手を胸に当てて、「穂花ぁ」と大きな声を叫び、感極まった表情している…。

 ——うわぁ…僕の作品にアンジェルビートの最終回の主人公の姿なんて求めてないよ!!感動もゼロだよ!!





「ねぇ…どっちが本命なのかな?月夜さんと花山さんだと——それに黄泉さんも含めて美少女が絵になりすぎて、ノーマルだったのに、目覚めそうになるよぉ…」

「僕は彼女達の発する煌めきに比べれば、紛い物だよ。田所さんの質問は、僕に月か太陽を選べと同じ意味…だから、その質問の答えは選べないかな…?んー…でも、強いて答えるなら二人共、大好きだってことかな?」





 ——僕の子達の時点で君たちも大好きなんだけど…入学式の事やりっちゃん先生の件もあり、ますます魅力的に映ってるんだと思う…ってアレ? また力が漲った…?

『恋愛経験がないが故に…さりげない言葉で月を堕としたのか…主よ、やるのぉ…』

 ——よーちゃんで手一杯なのに、それに如月健斗は…まぁいいとして、玲緒奈まで来るときついよぉぉ!!

『妾から言わせれば、月と太陽を心から愛してやれとしか言えんのじゃ。主にとっても妾にとっても彼女達は気がするのじゃ』

 ——まぁね。






 その後、リュンシャンは質問はなかったものの、僕達の輪の中に入り、さりげなく職務を全うする様だ。




 ——





 その後、二十分程女の子同士で盛り上がった後、各々が帰る準備のため僕の机から離れる。





 足元を見ると…未だに先程と同じ態勢をしている如月健斗がいたが…帰る準備を終えた彼以外でで頷き合った後、無視することにし、教室の扉を開けて、玄関へと向かった。




 そんな彼がいつ教室を出るのかは知らないけど…本来契約する筈だった最高神を奪った挙句、この仕打ちは少しかわいそうかな?と少しだけ反省する。




 しかし、玲緒奈の性癖が歪んだのは紛れもなく、彼が口を滑らせた事が引き金だと思えば、不思議なことに罪悪感どころか…少しだけざまぁと思えた。



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 東雲先生→りっちゃん先生に変更しました。俗称ミス大変申し訳ございません。

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