第4話  動き出す荒波


俺たちは6年生となった。


本当に仲の良い友達もでき、学校が終わっては家につき次第、ゲーム機を持ち友達の家に集まることが増えていった。(参加は全員男子)


―とある日の友達の家―


この日は、放課後に遊ぶのではなく、土曜日の午前中に集まっていた。


放課後よりも長く遊べるので小学生の俺からすれば、土曜日と言う日が最高に待ち遠しかった。


小学生の遊ぶ内容は、外でサッカーやドッジボール、部屋でゲーム(DMなど)やカードゲームをすることが多かった。


特に集まることが多いのが 林樹はやし いつきの家であった。


樹は、運動神経がよく、かっこいいやつだった。当然女子からの人気も高い。


その日は、8人が集合し、最初にサッカーをして楽しみ、友達である樹の部屋に戻ってゲームをすることとなった。


俺は、昔では想像もつかないようなことが今現在起こっていることに素直に嬉しいという気分が、友達の家を来るたびに感じていた。


そして、


友達①「DMでマリカートしねぇ?」

樹「いいね」

友達②「でもさ、なんか物足りないよな」

隆之「物足りない?」

友達②「そう なんかもうひとひねり面白いことしたい」

友達③「じゃあさ、最下位のやつが好きな人を言うってやつは?」

友達②「いいね! それだ!」


なぜかみんなそれに賛成していたが、俺は嫌だとは言えず渋々することとした。


だが、絶対に負けられない。そう思った。


負けたら恥ずかしいどころじゃない。


手が汗ばんでたため、服に汗を吸収させるために、服に手を掴み汗を拭う。


俺は、必死になってマリカートをした。









結果として、俺は最下位になるのを防いだ。


最下位になったのは樹だった。


樹「まじかよー 最悪だ!」

友達②「いつき誰が好きなだよ 教えろよ」

友達③「いないとか無しだぞ」

隆之「........」

樹「言わないとだめだよな?(笑)」

友達②「もち」

樹「..........」

友達③「はやく」











樹「分かったよ........あゆみだよ」


隆之「.....あゆみ?」


友達②「それって、ひなたあゆみのこと?」


樹「.......そうだよ あぁーまじではずい(笑)」


友達①「まじか意外だな」

友達③「確かに最近仲いいよな」

友達②「告白しなよ(笑)」

樹「.........もうここまできたらやってやるよ!」

友達②「まじか かっけぇ」

友達①「すげぇな」


隆之「........」俺は思考停止していた。


多分顔に出ていたのだと思う。


でも、みんなは樹に集中していたのでバレていないかった。


自分の大切な友達が歩を。


放心状態だった。


友達②「いつ告白するんだよ(笑)」


樹「んー、...修学旅行で告るわ(笑)」


友達①「めっちゃ楽しみだわ」


樹「でも不安やわーー」



友達③「大丈夫やろ 両思いだと思うけどな」



隆之「………」



こんな感じの話が正午12時頃まで続き、お開きとなった。




―修学旅行(前日談)―


修学旅行では1泊2日で奈良・京都・大阪に行くこととなっていた。


運命の日だった。


修学旅行の班は、男女2人ずつのペアで行動することになっていた。


同じ班のメンバーは、男子は、俺(明智隆之あけち たかゆき)と林樹はやし いつき、女子は、日向歩ひなた あゆみ高山美咲たかやま みさきであった。


高山美咲は、歩と一番仲の良い存在でおのずとこの2人が修学旅行中一緒に行動するのは目に見えていた。


美咲の髪はロングで肘の上まである。


上品な女子で動作全てに品があった。


なぜ、俺がこのメンバーにいるのかと言うと、樹に同じメンバーになるように頼まれていたからであった。


樹「たかゆきさ、今度の修学旅行の班一緒にならん?」

隆之「俺が?」

樹「あぁ、たかゆきってさ、あゆみと仲いいから話して告白の時間とか作ってくれそうかなって」

隆之「.....そうだったな 告るんだったな」

樹「頼む!」

隆之「.....分かったよ」

樹「ありがとう!!」


俺は、もどかしさに苛まれていた。


答えが出ない。


俺たちの行き先は、まず奈良に行き、東大寺や鹿公園などを見て、京都に行き、清水寺・金閣寺など1日目は、観光と言う名の勉強がメイン


2日目は、大阪のテーマパークUSNに朝から行き、昼の16時ごろまで遊び、その後帰宅と言う流れであった。


そして、告白は2日目のUSNの終わりに決行することとなった。

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