Ⅱー10.爆発

 麻美は「液が…垂れているので…拭きますよ」と口ごもりながら宣言すると、意を決して、指で亀頭にシートを押し付けた。

 健太は相変わらず困ったような苦しそうな顔をしていたが、指定されたポーズを保っていた。返事は無い。

 麻美は指を離すと、もう一度亀頭の先を見つめた。拭いたはずなのにやはりそこに汁が溜まっている。

 『ったく。いつまでやればいいの』と思いながら麻美はなんだか楽しくなっていた。

 弾力があってプルンプルンと反応するのは猫の肉球よりもずっと気持ちいいし、

 苦しそうな顔をみるのもたまらない。あたしってSだっけ?

 最初は美術部長としての責任を感じて始めたことだったが、チンコをいじれるのは役得とさえ思えた。

『汁垂らしてるあなたが悪いのよ』と内心で言いながらもう一度、汗拭きシートを押し付けていく。

 もはやなんの遠慮もなく、右手の親指、人差し指、中指の三本でそれを包み込んだ。


 それは危険な行為であった。

 そもそも、我慢汁という言葉の由来はなにか?

 何を我慢しているのか?

 ちょっと考えれば、麻美にも分かったであろう。

 しかし、この時の麻美は汁をふき取ることしか考えていなかった。

 健太の顔を見つめながら、先ほどよりも力を入れて亀頭をギュッと擦る。

 健太は刺激に耐えかね、「止め…」と言いかけながら腰を引いた。


 しかしもう遅かった。

 びゅうっと白い液が1m前方へと飛び出した。

 ざざっという音がした方を向くと、香織の画用紙になにかの液体が振りかけられたように濡れていた。

 健太のチンコに目を戻すと、それはプルンプルンと上下に揺れながら、さらに白い液体を放出し続けている。

 少し遅れて、精液の青臭い匂いが部屋に漂い始め、麻美と他の女子大生は健太が射精したことをようやく理解した。

 彼女たちは暫く、ただ呆然とそれを見ていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る