第8話 知らない男子が怖い

学校に着くと私の席には知らない男子が座ってた。

そっか、席替えしたんだっけと思い出した。

元の席から後ろの席に座った。

前には見知らぬ男子が座ってた。

多分、彼が担任の言う転校生なのだろう。

彼は私が後ろに座ると会釈をして言った。

『宮北大地です。天馬(てんば)高校から来ました。よろしくお願いします。』

彼は屈託の無い笑顔でこちらを見た。

それが私にとって強くバツが付いた腕を苦しめた。

私にはない楽しさも笑いさえ持っていて羨ましく感じた。

私は彼を見つめて言った。

『工藤春です。私には何も言わないで下さい。あなたは私にとって毒だから。』

彼は何を言っているかわからないようだった。

続けて私は言った。

『話したくないの。お願いだから、他の人と話して。』

彼は悲しそうだった。

そして、彼は前を向き他の生徒と話す姿を見て私は安堵した。

高校3年の春に転校してきた宮北大地くんを周りは歓迎している様子はなかったらしい。

それもそのはずだ。

大学を目指すライバルが1人増えただけだったからだ。

でも、周りが歓迎しないのに彼は明るく周りに気配りして仲良くなっているのを見るときっと、彼には天性の周りを明るくさせる才能があるのだろう。


だけど、私は彼とは一切関わろうとは思わなかった。

だって、彼といると何もかもがこれでいいのだろうかと考えてしまうからだ。

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