言の葉連れつれ(2)

三年飛ばず鳴かず

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 いつか必ず

 その時のために

 伏して、修行を重ねて

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「鳴かず飛ばず」というと「何の芽も出ない、何にもしてない」意味にされますが、故事にいわく(史記)


「昔、中国荘の国。


 新しく王になった人は、『逆らうものは殺す』と宣言して放蕩三昧。

 おりしも春秋、混乱の時代。

 それでは国が滅びかねない。


 三年して、ある家臣が意を決し、


『三年間、飛ばない、鳴かない鳥がいます』


 王はにんまりと、


『三年も力をためていたのだ。ひとたび飛べば天高く、鳴けば広く天地を驚かすほどの声を上げるだろう』


 王は死をも恐れず諫言かんげんする家臣を探していたのだ。


 以来王は政務に励んだという」


「大辞林」では、「三年飛ばず鳴かず」を

「将来の活躍を期してじっと機会を待っていること。」


 雌伏しふく雄飛ゆうひ

 (今は人の下で耐えようとも、いつか必ず雄々しく飛び立とう)

 石の上にも三年。

 虎視眈々こしたんたん


 長く苦しい苦難の時も、じっと耐え、機会を待ち、修行を重ねていつか必ず。


 私はもうすでに三十年。

 でも、きっと、必ず……。

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