第15話危機

キーンコーンカーンコーン


「それじゃあ今日はここまで、次回は次のページに入るから予習しておくように級長、号令」


「起立!礼!」


やはり中学とは授業の内容も進むスピードも全然違うな。

これはしっかりやっておかないと考査前に痛い目見るかもしれないな。


「弓弦、次は体育だったよね?」


少し離れた席から悠が近づいて来る。

時間割を見ると確かに次は体育だ。


「男子は教室で更衣だったな、とりあえず女子が出るまで待つか」


教室から女子が出ていくのを見送ってからカバンから高校指定の体操服を取り出して着替え始める。


「弓弦凄いね、腹筋割れてるじゃん!」


何故か前の席で悠がこちらを見ていた。


「まあ、受験の時も週間で筋トレとかランニングはしてたからな、そういう悠も結構筋肉ついてるよな?」


さっさと着替えて体育館に行くつもりが何故か野郎2人で互いの体つきについて褒め合うことになってしまった。


「いや俺たち何やってんだ?」


とりあえず着替えて体育館用のシューズを持って体育館へ向かう。


「いやーなんでだろーね」


悠《原因》が何か言ってる。

そのまま話しながら歩いていたが思ったより時間がなさそうだったので体育館まで走ることになってしまった。


「E組が道路側、F組は入り口側に並べー」


どうやら俺たちは最後の方だったようでほとんど並び終わっていた。

急いで悠と一緒にF組の列に加わる。


「それじゃあ今日は事前に説明していたように種目分けをするぞ。

種目はバスケ、テニス、野球な

ただしコートの数とかがあるから人数が偏ったら移動してもらうぞ、カラーコーンが置いてあるから種目別に固まれー」


体育教師がそういうと整列して座っていた生徒たちが立ち上がり移動し始める。

俺と悠も立ち上がり迷わずバスケの方へと向かう。


「結構均等に分かれてるね、まあ男女比は偏ってるけど」


悠の言う通り野球はほとんど男子だったし女子は他の二種目に固まっていた。

女子弓道部組もバスケにしたようでこちらに手を振っていた。


「まあすぐに決まった方が楽だしいいんじゃないか?」


全員が座ると先頭の人が人数を数えて先生に報告する。

どうやら人数は問題なかったようで先生は頷くと


「すんなり決まってよかった!じゃあ残りの時間は各種目ごとに担当の先生にこれからのことを説明してもらうから」


そう言って仕切っていた先生は野球の方へと向かう。

俺たちのところにも別の体育教師が来て、


「バスケ選択の担当の飯山尚樹だ。

7月の初めまで体育はこの種目で進めるから後半はチームで分かれてゲームをしようと思っているけどその前に技能テストをするからな

これは成績に入るからしっかりやるように

今日はチームで別れてもらう。男子は5人組2つと6人組1つ女子は5人組3つ作ってくれ」


なん.....だと........

せっかく悠と組めるから2人組作ってーの即死コンボを回避できると思ったのにまさかの5人組.......


「おい悠、お前あと3人心当たりあるか?」


俺が悠に近づいて問うと


「いや....僕が話したことある人は野球に行っちゃったから」


お互い虚無顔で互いを見る。

あれ.......詰んだ?



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る