第15話 こーふんしてるの?

「朝ご飯、食べに行くか」


「…………そうだね」


 賢者タイムが抜けそうにないので、とりあえずご飯を食べて頭を動かそう。

 じゃなきゃ、なにも考えられなくなる。


「行くか」


 と、ベッドから立ち上がろうとするが、布団に何かが引っ掛かる。

 ヤバい、朝勃ちが収まってない。

 これ、見られたら変な誤解されるぞ。まだ朝勃ちという概念がないからな。


 ヤる時だって、「おちんちんって、こんなになるんだ」とか言ってたし、説明すると赤面しながら「興奮するとこうなるんだね、零二くんはエッチさんだ」とか自分も知らぬ間に下を濡らしながら言ってたけども。


「起きないの?零二くん」


 固まる俺に、奏は顔を覗きながら聞いてくる。


「あ、いや……………起きるよ?」


「ならなんで………………って、あれ?」


 奏の視線は俺の顔から下半身へと移動する。


「零二くん、これって」


 布団越しにモッコリしているアレを突くと俺の顔を凝視する。


「いや、これは…………あの」


「もしかして、またコーフンしちゃった?」


 布団で赤くなった顔を隠しながら、そう聞いてくる奏。

 興奮はしている。

 だって、全裸の可愛い彼女が目の前にいるんだ。興奮しない人がいる訳がない。

 でも、これは違う。男としての生理現象だ。それに健康な証拠だ。


 いやそれ以外の意味でも勃ってるとは思うけど。

 しかし、今後の為にも説明しておいた方が良さそうだ。


「奏、これはだな……………朝、男なら誰しもがこうなるんだ」


「そーなんだ、知らなかったよ私」


「あ、あぁ」


「てっきりこうふんしちゃったんじゃないかなって」


「興奮って、おま」


「だって、昨日もさ、こんな感じになってたじゃん…………?」


 小首を傾げる奏。

 昨日のは多分、これ以上だったと思う。

 アレは人生で一番興奮してたからな。レベルが違う。

 でも、


「正直、興奮はしてる」


 しないわけがない。


「そう、なの?」


「だって、可愛い彼女が目の前にいてさ、服着てないとか………興奮しないわけないだろ」


「んっ…………零二くん、恥ずかしいよ」


 顔を背ける奏。

 その表情もなんとも可愛い。


「だからさ、気にしないで―――――!?」


 言いかけた途端、奏は抱きついてくる。


「い、いきなりどうした!?」


 胸元にある奏の顔に、動揺した顔を向ける。


「今、零二くんさ、こーふんしてるじゃん」


「ま、まぁそうだけど」


「だからさ………………また収めてあげないとね」


 そう言いながら、布団の中に手を入れ俺のアレをそっと触る。


「ちょ、奏!?」


「エッチな零二くんには、お仕置きしなきゃ」


 布団に顔を潜りこませると、途端、暖かくヌルっとしているモノがが俺のアソコを包む。


「奏、いきなりはっ!」


「れいりくんは…………うれひく…………らいの?」


「そりゃ、嬉しいけど」


「れいりくんにら………………わらしれきもひよく…………なってほしいの」


 喋りながらも手と口を止めない奏。

 奏の最初の朝ごはんは、俺のソーセージとミルクになるのだった。


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