第3話

たとえ、三対一であったとしても俺が負ける未来は見えない

なぜかと言えば、俺は王が認めた勇者なんだから!


俺は勇者の剣を構えた

三人も完全に戦闘態勢に入っている

互いに準備は万全、ということか


男の一人が魔法弾を放ってくる

俺はその魔法弾を一刀両断した

こんな魔法弾を斬るなんて、たやすいことだ


男が一瞬たじろいだ

俺はその一瞬の隙を見逃さない

俺は男の背後に回り、背中から斬った


男は声一つ出さずに倒れた

後の二人も、ジリジリと後ずさりをする


「強さの違いが分かったか 分かったらとっとと失せろっ!」


俺は男たちに叫んだ

男たちはびくっとし、倒れた男を連れて逃げていった


「さすが勇者 あんなの屁でもないってわけね」


助けた女の子がそう呟いた

勇者の俺にとっちゃあ、準備運動にもならないかったが


「まずはお礼をさせてちょうだい 私はルナ 一身上の都合で詳しくは話せない 魔法使いってことだけは言えるわ」


魔法使いか

確かにそんな見た目をしている

魔法使い特有のとがった帽子がその証拠だ


「それで、勇者はあの魔王を倒しに行くのね?」

「ああ、そうだが 何か?」

「勇者さえよければ、私も一緒に連れて行ってもらえないかしら?」


魔法使いの仲間か

人手が増えるのはいい事だ

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