第2話  朝顔

豊平公園の植物園に朝顔があって、花びらが青い種類であったので、気に入って買ってしまった。店員の方が絡まった蔓を分けて、苦労していた。


見事に咲いている、花は蔓が絡まっていて分けれなかったので、他の蕾があるものを戴いた。腐葉土なども買った。鉢の下に石を敷くのを忘れた。寮の職員さんに「腐葉土ならあげたのに。」と言われた。


朝顔は気が付いたら、次の日には咲いていた。


結局、彼は窓辺に置かれて、カーテンの庇に上手に蔦っていったので、カーテンの開閉が出来なくなった。そしてこちらの方に咲かないで、窓の方へ、陽の当たる方へ顔を向けて、咲くことを習慣にしている。飼い主のこちらに目もくれず。


彼の人生は彼が中心なので、そんな彼を眺めながら、こういう生き方があるのかと、と私は感心していた。

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