4. 「表に出すつもりで書いた文章」と「そうでない文章」の違い

 『融点』完結したのでいよいよこれ『1年ほどまともに書いてなかったので適当になんか書いてみることにする』を投稿してくことにする(あれこれ第3回でも同じこと書いてたな)。昨日までと手順逆にして今日は投稿するのを読み返して予約してからこれを書いている。明日からはこの手順が通常になるかもしれない。

 このスタイルはtwitter以上にうっかり迂闊なことを言いやすいスタイルである。ネタがないからと思いついたことをぽんぽん言っていって、ネタがないからとアウトセーフのラインが緩くなっていって、とにかく非常に危ない。

 けれどもだからといって推敲の時にそのダメな部分を削っていってしまえば何も残らなくなる恐れがある。だからさっき思いついたのだけれどダメなところは削除せずに伏字にしてくことにする。それで本当に解決するのかやってないからまだわかんないけど。

 投稿はするけどこんなものでPVが稼げるなんてまるで思っちゃいない。思っちゃいないなら日記帳にでも書いておいて外に出さずにしまっとけばいいじゃないかと言われるかもしれないがまあその通りである。外に出したところで誰にも読まれないならいちいち外に出そうとする分面倒なことになる。

 じゃあなんでそれでも外に出そうとしているかというとやっぱりなんか違ってくるのである。外に出さずに自分の中にしまっておこうとして書く文章と、外に出すつもりで書く文章と、書いてる方の気合の問題としてなんか違った色合いのものができあがってくるのである。

 がちで書いてる日記があってそれは基本的に表に出すつもりはないもので大半はメモに近い単語の羅列になっているのだけれどそこから多少なりとも文章になっているものを見つけて拾ってくる。以下自分の日記から3つほど適当に抜粋、日付は省略。


 『AI共作小品集』【音無】制作。あまりに何も思いつかなかったのでわりと序盤からAIにまかせてみた。3本目にして思うのはあんまりAIと相性がよくないのかもしれないということ。案外に彼は典型的な方向にむかっていってしまって刺激が足りないのだ。あるいはこちらからその方向に寄せていけばうまくはまることもあるのかもしれない。童話的なものでも何でもいいから明日はちょっと目先を変えてみよう。


 あぶらそばはだいぶ前にインスタントに手を加えて作ったときよりうまくいった。けれどもまたこの味付けはチャーハンといっしょだなと気づく。あるいはオリーブオイルをからめたあたりスパゲッティと同じことをやっている。麺をかえればそのまま中華風パスタになろう。なんにしろ当分また作らなくていい。


 『片道勇者』剣士、ふつうの旅にかなり久々に挑戦。初クリア(記憶している限りではそうだし実績が解除されたことからも多分そう)。1、2回目の魔王出現は触手の草をぶつけて距離をとって消失まで逃亡。3回目は近くの人の加勢を期待して街中で戦ってみるも普通にサシの戦いとなり削りきれず終了。4回目、なんかいけそうだと思ったので覚醒、ベルセルク、強打連打で勝利。レベルは十分に上げていたようだが、装備は大して整ってなかったし、仲間もいなかった。スタミナ回復アイテムがそろってたのがよかったのかもしれない。それと魔王以外にも強敵が出てくるときちんとアイテム切って倒してたのがよかったのだろう。つまりアイテムをきちんと拾ってそれをきちんと使ってたのが勝因か。


 ……こうして眺めてみるとあんまりこれと言う程変わらん気がしてきた。それなりにしっかり書いている。逆を言えばこれが表に出すにしてはかなりいい加減に書いている。いちいち表に出すというアクションをとるための理由としてさっきのは弱すぎた。

 この思考の持っていき方からわかるように表に向かって何か文章を発表するという結論があってそのために理屈をつけていっている。私はなぜかその行動を行おうとしていてそれに理由をつけてやろうとしているのだ。根源的にはそれは人間の孤独だかなんだかそんなところにつながるかもしれない、つながらないのかもしれない。

 第1回で言ってたようにこれは練習という側面が強い、表に出す練習、表に出す文章を書く練習。使いたいけど使うのにちょっと抵抗のある言葉、習作。そんなものは人に見せずに死ぬ前までにちゃんと燃やして灰にしてしまえ、とは思わなくもない。かといって強引な物言いをするならば人間の書くすべての文章は習作である。

 小説、特に長編小説を書くにあたって、完全な完成というものはほとんどありえないと思う。必ずどこかに瑕疵があって必ずどこか後悔するものである。いやまあ後悔しないとすれば――なんかそういう人もいるんだなって感じでそれはそれでいい。完全な長編小説を書くというのは人間の限界を超えている。あるいはそれが話を広げすぎだというのなら、私にはそれはできないことだと言ってしまおう。完全だのなんだの言い出したらそれは大抵定義づけの問題になるけれども。

 真面目な話をしてしんみりさせちゃったな、よくないよくない。なんだか今日はするりと書けた、自分のことをほめてあげたいと思ったが、途中600字ほど日記抜粋で埋めてたのだから当たり前だった。でもそうやって楽すること思いついたのも私だからそこのところはほめてあげてもいいと思う。

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