第27話 ギルドで探そう!(自主企画)

 怪しい勧誘を断ったひなは、受付けのカウンターにやってきました。


「ようこそ、小説家ギルドへ。初めての方ですね」

「はい。未来ノひなです。よろしくお願いします」


 ひなはていねいに頭を下げて挨拶をした。受付けのお姉さんは、にっこり笑って話を続けた。


「ここでは、小説をコンテストに応募することができます。文字数やテーマ、レーベルに合わせた作品があれば、気軽に応募してもいいですよ」


「レーベル? ですか?」


「レーベルは、例えば角川出版でも、女性向けとか子供向け、あるいはラブコメが強いとか、転生物が得意とか、そう言ったジャンルを分けるため細かく設定している部門分けです。いくら良い作品でも、ジャンルが合ってなければ通らないのでその点は注意ですね」


「なるほどです」


「他には、自主企画の依頼を受けることもできます。こちらがメインですね」


「自主企画ですか?」


「ええ、あちらに一覧と説明があります。一度に3つまでです。注意点としては、同じ企画を受けている人の星やハートはランキングに反映されないわ。それだけ覚えておいてね。じゃあ受けるときは持って来て」


 ひなは掲示板に仕事がないか見に行きました。


「ひなが出せるコンテストは今はないね。出せそうなのは『5分で読書』くらいかな? でも、今はお試し登録だから出しちゃだめだよ」


 モコりんはそう言うと、自主企画を見るように言いました。


「自主企画には、大きく分けると『本棚』と『読み合い』があるんだ。本棚は読み合いしないで誰か読んでくれるのを待つタイプ。読み合いは、お互いが読み合って仲間を増やしたり、評価し合ったりするタイプだね。最初は、読み合いから始めたらいいよ」


 ひなは、説明をよく読んで、『童話や詩の作品あつまれ〜』と、『初心者の人、読み合いましょう』の2つを選びました。


「もう1つ選べるけどいいの?」


 モコりんが聞きましたが、ひなは「今は無理しない方がいいと思って」と言って、受付けに行きました。


「では、これで登録完了です。童話は3日後、初心者は一週間後に企画が終了します。またのご利用お待ちしています。頑張って読み合ってね。それから、読んだら感想を書くといいわ。最初に、『企画から来ました』って書くのよ。返信の確率が上がるからね」


 お姉さんはそう言うと、書類を2枚ひなに渡しました。

 書類には、企画に登録している相手の作品のアドレスが載っていました。

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