第12話 ガーディアン その4(守護霊様と守護神様は違うのだ) 



 拙作の別エッセイ『夏だ! お盆だ!』でチラッと出てきた、霊感のある友人Aちゃん。

 彼女とは高校で知り合った。

 同じクラスどころか科も違うのにどうやって仲良くなったのか。よく覚えていないのだが、出会いは図書館だったと思う。


 他にも2人、やはり別の科――私だけ商業科、彼女達は普通科だったがみんなバラバラのクラス――のKさん、そしてトラさん(もちろんアダ名で女の子だ)がいた。

 この4人が揃うと決まってスピリチュアルの話になり、まとまった時間があるとコックリさんなどやったりしたものだ。


 よく霊感の強い人と一緒にいると刺激を受けて霊感が強くなると言うが、Kさん・トラさんも途中から視えだした2人である。

 それは黒い靄や影のようなモノが多かったようだが、何かしら3人共同じ方角に反応していた。

 全く視えなかったのは、この青田だけである。


 いや、怖いもの嫌なものは見たくないんだが、それでもウチの守護霊様はどうも私にも霊感を早く発現させようと、この頃から本格的に活動していたらしい。

 そんなようなことをAちゃんが言っていたなあ、と今になって思い出す。

 まさかそれがウン十年経ってから発現しようとは思わなかったが。


 これを集団幻覚とか多感な時期の思い込みとか、色々と多角面からの考えもあると思うが、とりあえず当時はみんな大真面目でそれが世界だった。

 それに視えない私にも分かるくらい重いナニカが突然頭に乗って来た、という霊障(?)があったりと色々と影響は受けていたのだが、その話はまたいずれ。


 とにかくこの霊感少女Aちゃん。定番だが彼女に3人とも自分たちの守護霊様を視てもらった。

「青さんには、『白蛇』様がついてらっしゃるよ」


「はい? 御蛇様?」

 うんうん、と私の左肩辺りを見ながら頷くAちゃん。

 どうやらいつも私のこの左側、肩の辺りに浮かんでいるらしい。


 そ、そうなのか。

 いや、白蛇様が嫌だとか言うのじゃなくて、他の3人がみんな人型なのに何故に私だけ御蛇様?? 普通、人には人がつくものじゃないのかい???


「それは動物霊じゃなくて、元々は人だった方が神様に使える御使い様としてそういう御姿になったからだよ。

 だから白蛇様の姿だったり、普通に人の姿で現れたりしてるの」

 ふぅ~ん、そうなんだ。なかなかそれは面白いかもしれないなあ。なんて当時は思っていた。


 だが、真相は――もちろんこれもあくまでプロの先生の霊視による1つの答えだが――少しズレていた。


 先生曰く

「違うわよ。人には基本、人間がメインでつくものよ。宇宙人がつく場合もあるけど、あれも人間だし。

 ちゃんと貴方にも人間の守護霊様がついてらっしゃるわよ」


「あ、そうなんですか」

 お~い、Aちゃんなんか違うらしいぞ。

 やはり多感な高校生。あれは見間違いとその場の妄想だったのか(^^;ゞポリポリ

 ちょっと厨二病心をくすぐる、夢のあるバージョンだったのだが。


「そちらは 守護神様ね」

「……はい?」

「守護霊様と守護神様は違うからね」


 エッ エ、エエえぇぇ――っ!?

 おおいっ! Aちゃんよぉ、なんか2人いらしたらしいぞ?!


 そういやAちゃんはこんな事も言っていた。

「それにしても凄いね。守護霊様が昇格して守護神様になってるのって、日本でも数えるくらいしかいないはずだよ」


「白蛇さまは神様なの?」と私。

「そう、霊格から神格の位に上がってるの。守護神であり指導神様でもあるんだよ」


 うおぉぉぉいっ!! Aちゃんよぉ! とんでもない、元から神様だったよっ! 

 これじゃドリフのコントじゃないか。(元ネタ:『とんでもねぇ、あたしゃ神様だよ』)

 

 思うに彼女が霊視する時に、違う御二人が交互に現れたのではないのだろうか。

 そこは流石に霊感が強いとはいえアマチュアの彼女。時に白蛇様、またある時は男の人の姿の守護霊様を、同一人物と勘違いしたのかもしれない。

 まったくとんだダブルフェイスだ。


 そういう意味では、彼女にはちゃんと視えていたんだなあ。

 しかしなんてややこしい……(;´Д`)


 ちなみに守護霊様は前回話した通り、レーシングカーを送り出すピットスタッフのように1人をみんなでバックアップだが、守護神様は何人何十何百人と、一柱で複数を受け持つ学校の先生方式。

 つまりその沢山いるクラスの生徒の1人が私という訳だ。


 そんな人数を一柱で担当するなら滅多にいらっしゃらなさそうだが、私が手間のかかる生徒だからよくいらしたのか、それとも分身の術みたいな御力があるのかは分からない。

 ただAちゃんに視てもらうと、よくその御姿を感じていたようで、おかげでそのままウチの守護霊様=守護神様という図式が自然と根付いてしまった。


 そういやトラさん宅で夏、そうめんを頂いている時に、Aちゃんがふと風が吹くので顔を上げると、白蛇様が尻尾で私の頭を撫でていると言っていたから、学校以外のエリアでも来られていたという事だな。

 

 まあ人は動くからエリア分けじゃないのだろうけど、ホントになんで私めなんかを担当してくれたんだろ?

 やはり『*面白い奴*』枠なのだろうか? 1人ドリフだから?

 今頃になってそういう事を訊いておけば良かったとつくづく思うが、まずは感謝しております。


 しかしウン十年の勘違いがここでやっと認識されたわけだ。

 全く神様も守護霊様たちもずっと苦笑されていたことだろうに。本当にすみません……。


 だけどAちゃんなら通信も出来るはずなのに、あえて訂正されなかったのも実に妙な……??

 まあ守護する方達からしたらそんな事、取るに足らない事なのかもしれないのだが。


 そんなこんなで私の中ではずっとこの大クラス担当の先生を、自分個人の担当(守護霊様)と思い込んでいた。

 いやはや、知らなかったとはいえ思い返すと自分だけ特別に~~~な、まさしく厨二病感があって恥ずかしいなぁ……。


 話が少しズレるが、これで白蛇様の存在が第三者によって肯定され、私の今まで妄想か、ただの思い込みと思っていた色々な事が現実だったという事が幾つか分かった。

 その中には、どうやら時々見回りにやって来てくださる白蛇様の気配もあった。


 居間で主にこのようにPCの前で、創作をしている時に感じたりするのだ。

 それは始めに頭の上に重さがあり、続いて左横――耳と頬の辺りをスルスルと下りて肩の上に来る。それから今度は膝の上と順々だ。

 ホンのたまに目にかかる時があって、ちょっとゾワゾワするが『目にかかってます』というとどいてくれるし。


 これは長年、私の単なる思い込みだと思っていた。

 例のアイアンクローならぬ圧迫感のように、頭や肩が凝って妙な感じがするのだろうと。


 ただプロの先生と面接した頃、時はちょうどコロナ真っ盛りの時期。

 不安心が余計に感覚を惑わすのか、この頃は特に重たくなった感じがしていた。


「それは実際に重たくなられてるからよ」

 えっ、そうなんですか? 何故にお太りに??

「今、コロナ禍でしょ。だから世の中に不安やら恐怖やら、嫌な氣が沢山渦巻いてるのよ。

 神様(の御使い様)達はね、そういう氣を吸収してるから体が重くなるのよ」


 あ……、そういう事をされているのか。

 

 獏が悪夢を食べるように、神の御使い様(天使)たちは世の中がこれ以上悪いモノに満たされないように、そういう暗雲とした悪氣を吸収しているらしい。


 そういえばこれはネット情報であるが、ある神社にいらっしゃる布袋様像の担いでいる袋の中身は、実は金銀財宝・酒・美味い食べ物なぞが詰まっているわけではなく、人々から出た負の氣を収めているのだとかいう話を読んだことがある。

 

 人々にさぞや良いものを溜め込んでいるのだろう、あやかりたいものだと言われながら、実は人の出した悪いモノが出て行かないように、袋に詰めて背負っておられるという話。

 本当のところは分からないが、あのニコニコとした御尊顔の裏に隠れたありそうな話とも思えた。 


 皆さ~ん、あの大恐慌のコロナ禍の時、神様たちは何もしてくれなかったわけではなかったんですよぉ。


 裏では必死にこうして体を張って色々とされていたのだ。

 ただ手を貸し過ぎてもいけないのかも知れないし、今回の負のエネルギーが強すぎたのかもしれない。

 そしてそういうエネルギーの元になるのが、おそらく人々から出される負の氣なのかもしれない。

 悪循環の輪廻が回り、それが集まって煮凝り、やがて具現化すると……。


 このエネルギーうんねんは、もちろん私の勝手な想像であるが、何となくそんな気がしてならないのだ。


 昔読んだマンガにも、希望の麒麟はまさしく人々の良い気から生まれるが、争いや妬み、猜疑心や不安など人々の気持ちが地に落ちると、麒麟様も実体化出来ずに消えてしまうという。


 む~ん、結局は未来を明るくするのも暗くするのも、ひとえに人類の気持ちの持ち方次第という感じかな。

 おお、なんか壮大なテーマになってしまった。


 私みたいな常々ポ~としている者が、偉そうにのたまう話でもないのでこれはこの辺にしておくが、とにかく神様たちは世界のために激務をこなしてらっしゃるという事だ。


 なんだか本当にお疲れ様です。

 それなのにこの未熟者のところにも、わざわざ見回りに来て頂いて。

 しかしなんでいつも創作してる時が多いのでしょう?


「そりゃあ何書いてるのかなあ、って見に来てるんじゃないの?」と先生。

 ええっ?! それはちょっと……小っ恥ずかしいんですが。

 

 確かに細々とではありますが世界(ネット)に晒してますけど、まさか創作している時にまで見られているとは思わなかったので……。

 アレ、ヤバくない? ウチの小説……、神様ちょっとコケ落とししてるんですけど、特に神の使いが……( ̄▽ ̄;)


 なんて、あれはあくまでフィクションとしての話なのは当然ご存じ。

 どこぞの狂信的考えみたく、フィクションであり冒涜してるわけでもないのに、神様を侮辱したとか怒ったりしない。神様はそんな度量は小さくないぞ。

 おかげでこうしイジられ、いや守られているのだから。


 そう守られているのだ。


 青田は昔、その守護神様の御姿を夢ではあるがしっかと見た事がある。


 もちろんその頃は、守護霊様と守護神様をごっちゃにしていた頃であり、高校を卒業し社会人となった20代のこと。

 まだ相変わらず厨二病の気は残っていたが、あの頃あんなに熱く毎日繰り広げていたスピリチュアル会はもちろん無くなり、普通の日常を過ごしていた。

 だから普段は失礼ながら、守護して頂いている方たちのことを忘れていた。


 そんなある日、時たま見る悪夢の中に、突然御蛇様が救済に姿を現わした。


 ちなみに白蛇様というとみんな、どのような御姿・尊顔を思い浮かべるだろうか。 

 やはり一般的に見る白蛇の姿、お顔がほとんどだと思う。


 そう、私も類に洩れず、図鑑やオカルト雑誌などに掲載される絵図と同じ姿を想像していた。(この頃のインターネットは、まだ今ほど活躍していなかった)


 だが、私の前に現れた方は、そんな想像とちょっぴりイメージが違っていた。(大袈裟かな?) 



   ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 ちなみに『白蛇様』なんて羨ましいと思われたそこの貴方。

ご安心ください。この方はおそらく守護・指導タイプの方ですので、金運に手は貸さないです( ̄▽ ̄●;)ビシ! 少なくとも私は金運なしです。

 いずれその話もさせて頂きますが、何も努力しない者には運は回しません。

 でも良いんです。見守っていただけるなら。


 ちなみに皆さんも結構知らないだけで守護神様はついてらっしゃいますよ。

 ただ気がつかないだけで。

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