どうした?

 二年生になってすぐの土曜日。

 

 雨…

 

 部活もないし寝てよーっと。

 二度寝最高‼︎

 

 枕のズレをなおしてっと。

 はぁ〜。

 おやすみなさーい。

 

 

 …

 

 なんか…

 なんな殺気を感じるんっすけど。

 

 …

 

 

 パッと目をあけて部屋のドアをみると

 

 ‼︎

 

 優依が少しの隙間からジトーっとこちらを

 覗いていた。

 

「優依ー…、こえーよ。なんだよ、朝からさ

 ー」

 

 …

 

 まだ無言で覗いている優依。

 

 …

 

「あ、優依!足のところ虫」

「えっ、イヤー‼︎」

 部屋に入りオレのベッドに乗っかる優依。

 

「うっそー」

 ベシッ

 優依がオレの頭を軽く叩いた。

「んもー、嘘はダメなんだよ」

「あー、ごめん。優依がなかなか部屋に入っ

 てこないからつい…。」

「だってさー…」

「だって何?」

「だってー、なんかさ‼︎なんかは、なんかな

 の‼︎」

「意味わかんねー。ってか早起きだな」

「…うん。だって眠れなくて」

「不眠?」

「うん…」

 

 なんだろ。

 せっかく陵と同じクラスでウキウキだと思

 ってたのに。

 

「陵と喧嘩でもした?」

「は?なんで陵くん⁇陵くんは、いい人だし

 喧嘩なんかしないよ」

「あー、そうなんだ」

「うん。ってか、そこは奈美と喧嘩した?じ

 ゃん」

「えっ?なんで奈美さん⁇ってか、喧嘩した

 んだ?」

「ううん。してない」

「じゃなんなんだよ?」

 

 …

 

「なんでしょうねー…」

 と言いながらイスに座って本をパラパラと

 ひらく優依。

 

 わかんねー…

 

 優依は、何かいいたそうで…でも言いたく

 ないようなよくわからない感じだった。

 

「オレ二度寝しようとしてたんですけどー」

「あー、どうぞ。寝たら顔に落書きするし」

「じゃ、寝るの無理じゃん」

「大丈夫だよ。ほら、この油性ペンでかくだ

 けだし」

「おまえ…油性ペンは、やめろよ。落ちねー

 だろ」

「ふふ、大丈夫だよ。だって今日一日ひまな

 んでしょ?」

「暇でもやだわ」

「アハハ、そっか」

「優依も暇なら、一緒に一日ゲーム対戦する

 ?」

「うん!」

 

 というわけで一日一緒にゲームをした。

 

 ゲーム中は、いつも通りの優依に戻ってい

 た。

 

 そして、日が暮れてきた。

 

「あ、わたしもう帰る」

「おー」

 

 と、オレが返事をすると優依がクルッと振

 り向き

「奈美と付き合ってるのってただの噂なんだ

 よね?奈美も誤解だよって言ってたし…」

 と聞いてきた。

 

「あー、そんなの誤解に決まってんだろ」

 と答えると笑顔で

「そっか!よかった」

 と帰っていった優依。

 

 …どういうこと?

 優依は、陵のこと好きなんだよな。

 

 でも、オレに彼女できんのはイヤなのかな。

 

 ?

 

 兄妹じゃないけど家族みたいなものだから

 誰かにとられるのイヤなのかな…?

 

 

 …

 

 わからん。

 

 優依がわからないよーーー‼︎

 

 ところで前に優依が言ってた奈美さんの春

 が来たって意味は、一体なんだったのだろ

 う。

 

 今度聞いてみよっと。

 

 続く。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る