(二)-17

 松ヶ浦は猪谷のことを肉体派だと思っていたものの、そういう機転を効かせた上手い返し方をするとは思ってはおらず、感心した。そういうことなら、猪谷は肝心なことを漏らしてはいない。そう確信した。


 次に松ヶ浦は元加治建設の八尾章二に電話した。

 昨年還暦を迎えた八尾は西埼玉で県の仕事だけでなく、防衛施設庁や米軍の施設建設の仕事の経験ももっていた。

 その八尾に取り決めについて話すと、記者とは会っていないという。取材の申込はあったものの、軍関係の仕事をしているのでマスコミ関係者とは一切会わないようにしていると断ったという。


(続く)

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