バグった世界の正規ルート

夜架

第1話 落ちました…どこだよここは?

とある一室にて…


 「第六研究施設研究長 葉桜梨花です」


 一人の女性が部屋の中へと入ってくる。そして部屋の中にいた三十代の男に話しかけた。

 「よくきた、では簡潔に話そう。この前お前たちが作った第37269仮想世界でバグが検出された。それの原因の解明と修復をしてこい」

 女性はその一言でおおよその見当をつけ

 「わかりました。では早急に取り掛からせてもらいます」


 そういい、すぐに身を翻し部屋から出ていった。


 「一体何が起こったんだ…」

 

 女性が出ていった部屋に命令を出した男の声が響いた…


ーーーーーーーーーーーーーーーーー



 2xxx年4月中旬 久美咲学園


 「…により、普段の勉強態度や質の向上が促され更なるステージへと君達が登れると信じてる。以上。委員長」


 「起立、礼、さようなら」


 『さようなら』


 あーこれで今日の終礼も終わったし帰れるよ〜


 「おーい海斗帰ろうぜ!」

 

 あいつは俺の親友(多分そうだよね?)の松下悠人(まつした ゆうと)だ。そして俺は神楽田 海斗(かぐらだ かいと)だ。


 「オッケー、帰りどっか寄る?」


 「んー今日はいいかな。なんかだるいから早く帰ってゲームでもしたい」


 「了解。じゃあ帰りますか」


 俺と悠人は帰り道が途中まで同じなため最近のゲームの話でもしながら帰り道を歩いた。


 最近広告で見た面白そうなゲームを思い出したからその話をすることにした。

 「そういやあのオープンワールドゲーム見た?めちゃ面白そうじゃない?すごい画像綺麗なやつ。」


 「あーあれね。なんかVRとかでもプレイできるようにしてるらしいよ。最後はアニメとかである没入型みたいなのやってみたいよなぁ」


 「わかる、あれは一種のロマンだな」


 そんな会話をしながら歩いていると交差点へと着いた。二人の家が違う方向にあるためここでいつも別れる。


 「じゃあまた明日な」


 「わかった。じゃあな〜」


 そんな感じで別れたあと海斗は自宅へと向かって歩き出した。


 「あ、確か今日はゲームの最新情報の公開日だよな…早く帰らないと」


 そのことを思い出した海斗は自宅までの近道である裏路地へと入った。そして、早足で5分くらい裏路地を移動した時だった。


 「もうすぐ家だ。ちょっと走るか」


 力強く一歩を踏み出した時


 スカッ


 「え?うわぁぁぁぁぁぁぁあ」


 目の前の地面を踏みしめたと思った足は空を切り顔面から落ちた。


 「いてててててて…なんだ今のは。4メートルくらい落ちたんじゃないか?」


 幸い怪我はなく痛む鼻を抑えながら立ち上がった海斗。そして上を向いた。


 「誰だよこんな…た…ち…の?え?」


 視線の先にはいくつもの家がびっしりと敷き詰められるように浮遊いや、正確に言うならば地面が透明になり街が丸ごと透明な地面の上に置かれ持ち上げられたようにも見える。


 「は、ははすげーな最近のテレビのドッキリって気合い入ってんなー」


 現実を受け入れられない海斗は次に足元を見る。足元は真っ黒で小さな段差もない平面がどこまでも続いていた。


 「まあ、もし、仮に、例えばだけどドッキリじゃなくても気づいた誰かが助けてくれるでしょ」





—————————————————


 前から書いてみたいと思っていて初めて書いた小説なので拙い文章ですが読んでくれると嬉しいです。更新については不定期な感じになっていますがよろしくお願いします。

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