第11話

「そう、アタシは偶数国のプリンセス「2」よ」


 奇数の国の者にとって、その名は、禍々しい妖怪の名である。


 ユーリを護衛している二人が槍を構える。彼らは無線機というものを理解していないのだ。

 

 ちなみにこの二人はどちらも見せているのは「9」だが、背負う数は29と39であって「ジレンマ」「トリレンマ」というありがたくない名前を持っている。


 私はといえば、ユーリの最初の部下として19という仮の数値を与えられ、「ジュークボックス」というくだらない呼び名を付けられた。

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